天才デザイナー

ハロルドさんを伴って、物件を見に行く。

ハロルドさんは屋敷をジロジロと見て回る。


ハロルド

「悪くない屋敷だね~。

基礎がしっかりしている。

これなら壁をぶち抜いても問題無さそうだ。

で、どんなイメージを持っているんだい?」


「高級レストランです。

個室を3つ。

で、お客さんは一晩3組のみ。

完全予約制。

最初のお客さんはアーサー王子。

そういうランクのお客さんをターゲットにしてるんだ。」


ハロルド

「王族相手!

素晴らしい!

腕の見せどころですね!」


ハロルドさんが張り切ってる。


ハロルド

「豪華にするのは当然だが、、、

豪華と言っても色々ある。

絢爛豪華にするか、

質実剛健なイメージでいくか、

金銀宝石を使っていくか、

細かい細工にこだわるか、

色々あるけど、要望はあるかな?」


「お金はかけるけど、悪趣味な金ぴかは嫌だな。出来れば、素材や細工にこだわって、わかる人にはわかる高級感、って感じにしたいな。」


ハロルド

「素晴らしい!

私の才能が遺憾なく発揮出来そうです!」


イリーナ

「では、改装のプランを作成頂けますか?

それを見て契約するか判断致します。」


ハロルド

「オッケー!

予算はどんな感じかな?」


イリーナ

「まずは予算度外視で作成してください。

それから、予算のすり合わせをしましょう。」


ハロルド

「わかった。

では1週間、時間をください。」


イリーナ

「アキラさん、

1週間後に再訪することで宜しいですか?」


「イリーナさんは大丈夫?」


イリーナ

「問題ございません。

では、ハロルドさん、

来週宜しくお願いします。」


ハロルド

「わかったよ。

それまでに改装プランと見積を作っておくよ。」




そして、翌週。

再び王都を訪問。

ハロルドさんの事務所を訪ねました。


ハロルド

「やぁ!

待っていたよ!

まずは掛けてくれたまえ。」


僕とイリーナさんが座ると、ハロルドさんがいくつかの絵を見せてくれた。


ハロルド

「まずは間取り図を見てくださいよ!」


間取り図を見ると、

エントランスがあり、

その先に護衛の待機部屋がある。

その奥に食事をする個室が3つある。

更に奥に厨房がある。

厨房も十分な大きさだ。

地下に食料庫がある。

2階はほぼそのまま。

いくつも部屋がある。

間取りには文句は無いね。


客室、エントランス、外観、廊下のイメージ図も見してもらう。

落ち着いた雰囲気。

基本的に派手な飾りつけはない。


「いいですね。

後はこの落ち着いた雰囲気の中で、どれだけ高級感を出せるかですね。」


ハロルド

「気に入ってもらえて良かったよ!

後は細かい細工だね。

僕の懇意にしている細工師に頑張ってもらうけど、後は珍しい素材とかがどこまで手に入るかがカギだね。」


「僕の持ってる素材を使ってもらってもいいですよ。」


ハロルド

「どんな物があるんだい?」


「ダンジョンで手に入れたモンスターの素材とかかな。後は宝箱で手に入れた宝石とか貴金属もあるかな。」


ハロルド

「面白いね。

是非、提供して欲しいね。

珍しい素材をさりげなく使う。

そういう使い方をしたいね。」


僕に不満はなく、ハロルドさんと契約を結ぶことに決定。細かい契約はイリーナさんにお任せしました。




契約を終えて。


ハロルド

「これだけの作業だと半年ぐらいはかかるかな。秋頃にはオープン出来るように作業を進めていくよ。」


「宜しくお願いします。

素材は後で持ってきますね。」


これで王都の新店舗の準備は本格的に始まるね。

だいたい半年。

その間にモルトさん、エマさん、エリオさんの準備も進めよう。

まだまだやらなきゃいけないことは沢山ある。

でも楽しいね。

確実に開店に向けて進んでいると感じる。

どんなお店になるかな?

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