物件購入

長い商談の後、


イリーナ

「こちらの内容で宜しいでしょうか?」


イリーナさんに契約書を見せられる。

なんか色々書かれていて、よくわからない。

金額は最初に僕が聞いた価格より安くなっていた。


「なんか安くなってる、、、」


イリーナ

「いくつかの条件付きですが値段を下げて頂きました。」


「条件って?」


イリーナ

「色々ございますが、

ざっくり言えば、

即金で支払う。

従業員の住居もウェルチ不動産に相談する。

そんなところでしょうか。」


「それぐらいなら問題無いよ。

契約を進めましょう。」


その後、その場でギルドカードを使って支払いをし、物件は僕の名義になった。

そして、諸々の手続きを終え、キリさんに見送られながら、ウェルチ不動産を出た。




ウェルチ不動産を出た後、


イリーナ

「今後のことについて説明しますね。」


「お願いします。」


僕は頭をペコリと下げた。


イリーナ

「今のままではレストランは営業出来ません。改装をする必要がございます。

いつもは大工のゲイツさんにお願いされていますが、彼では王都で作業は出来ません。

王都のリフォーム、内装業者に依頼する必要がございます。一応、キリさんには紹介状を書いてもらいました。

不動産屋ですので、そういった業者とも付き合いは深いようです。

問題無ければその業者に依頼しましょう。」


「リフォーム業者か。

確かに頼まないとね。」


イリーナ

「それだけではありません。

まず食器や机、椅子なども用意しないといけません。」


「そうですね。

食器は今度モルトさんと一緒に見に行ってきます。ヘーデン王国ならそろうでしょ。

それと、机や椅子はヒメレスさんにお願いしてもいいかな?」


イリーナ

「有難うございます。

後日、どういった物にするかを主人を交えて相談しましょう。」


「よろしくお願いします。」


イリーナ

「他にも店舗の護衛を用意しないといけません。最低でも2人は欲しいですね。」


「護衛もいるの?」


イリーナ

「高級店を目指すなら必要でしょう。

お客様に安心感を与える意味でも大切です。」


「オッケー。

お店のオープンまでには確保するよ。」


イリーナ

「それに食材の調達ルートも確保する必要があります。」


「コーラル商会には頼めないの?」


イリーナ

「もちろん可能ですよ。

私としてもコーラル商会をご利用頂きたいですが、コーラル商会はパエルモを拠点とする会社です。単純に王都周辺の作物を集めるなら、王都の商人を頼る方が安くなる可能性はございます。」


「それはいいや。

ガロッソさんを信頼しているからね。

無理じゃないならコーラル商会から仕入れるよ。」


イリーナ

「有難うございます。

では、仕入れたい食材が決まりましたらお知らせください。」


「了解です。」


イリーナ

「それではリフォーム業者に会いに行きましょうか。」


「そうだね。」


キリさんに紹介してもらったのはハロルドさん。建築デザイナーで、リフォームのデザインから改装まで仕上げてくれるらしい。

少し価格は高くなるが、イメージに沿ったデザインは評判が良いらしい。


教えてもらった場所にハロルドさんの事務所があった。


イリーナ

「すいません。ハロルドさんの事務所で間違いございませんか?」


ハロルド

「いかにも!

ここは天才デザイナー、ハロルドの事務所です!

この天才デザイナーに仕事のご依頼ですかな?」


テンション高!

しかも自分で天才デザイナーって言っちゃってるし。

かなりクセの強い人そうだ。


イリーナ

「こちらのアキラさんがレストランをオープンさせる予定です。物件は用意したのでリフォームをお願いしたいと考えています。」


ハロルド

「なるほど!

間取り図などはございますかな?」


イリーナ

「こちらです。」


ハロルド

「な~るほど!

確かにこれではレストランは開けませんな。

出来れば実際に屋敷を見ながら、ご希望をうかがいたいですな!」


「いいですよ。

今から見に行きますか?」


ハロルド

「もちろん!」

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