出来る女

物件の資料を持って帰宅しました。


それから、同居しているメンバーに新しい3人を加えて相談です。


エマ

「どれも良さそうですね~。」


エリオ

「お店のプラン次第でどの物件かは変わってくると思います。

プランをお聞かせ願えますか。」


「客層はアーサー王子とかパエルモ伯爵でスタートさせて、貴族や豪商のステータスになるようなお店にしようと思ってる。」


モルト

「王子様ですか!?」


「なんか、食べたいらしいよ。

お店のプランだけど。

お店は完全予約制。

ディナーのみの営業。

1日3組。

個室でおまかせコースを楽しんでもらう。

そんな感じかな。」


モルト

「かなり攻めた設定ですね。」


「予約して、順番待ちしても食べたい。

そう思わせる必要があるね。」


モルト

「腕が鳴ります。」


エリオ

「客層をそこまで高く設定するなら、狭い店ではまずいでしょう。

個室もゆったりとした広さは必要かと思います。」


「やっぱり、郊外の物件だよね。」


エマ

「どれも凄い値段がしそうですけど~。」


「お金は大丈夫だよ。

3つまとめて買ってもまだまだ余裕あるから。」


アリエッタ

「アキラ君はもう少しお金を使わないとダメなんじゃない?」


「ガロッソさんにも同じこと言われたよ。

でも知らない間にお金が増えていくんだよね。」


アイラ

「それは従魔たちが散歩がてらにモンスターを狩って、それをコーラル商会が販売してくれているからだろ。」


「でも狩りをしないとみんな暇だって言うし。時々、ダンジョンで狩りを楽しんでいるけど、こっちのドロップアイテムは世に出せない物ばかりだからね。」


マユラ

「アキラ君のマジックバックの中身を見るのはこわいね。」


話は多少逸れたけど、郊外の物件で決定。

明日イリーナさんに相談しよう。




翌日。


イリーナ

「わかりました。

同席致しましょう。」


「良かった~。

大きな契約だから、頼りになる人と一緒に行きたかったんです。」


イリーナ

「不動産は専門外ですので、あまり過度に期待しないでくださいね。

王都の事情もパエルモほど詳しい訳ではありませんから。」


「大丈夫です。

一緒にいてくれるだけで安心なんで。」


イリーナ

「では、今度の週末に行きましょう。

往復の移動はアキラさんにお願いしてもよろしいですか?」


「もちろん。」


なんか、すっごく気が楽になったな。

自力で契約するのは不安だったからね。




そして週末。

僕の飛行魔法であっという間に王都到着。

ウェルチ不動産へ行く前に物件をチェック。

その後、ウェルチ不動産へ。


「いらっしゃいませ」


イリーナ

「キリさんと約束しております、アキラです。」


店員

「ようこそ、お越しくださいました。

こちらへどうぞ。」


ものすごくスムーズに応接室に通された。

僕とイリーナさんが待っているとすぐにキリさんが入ってきた。


キリ

「お待たせ致しました。

来店有難うございます。」


イリーナ

「こちらこそ、お時間を頂戴致しまして有難うございます。

早速ですが、依頼しておりました物件の資料を見せて頂いてもよろしいですか?」


えっ?

いつ依頼したの?

イリーナさん、手回しが良過ぎだよ。


キリ

「こちらです。」


イリーナ

「拝見します。」


僕にはわからないけど、物件の詳細情報らしい。

そこからは大人のやり取りだった。


うん。

僕には全然わかりません。


なんかイリーナさんとキリさんってタイプは似ている気がする。

出来る女オーラが出てる。

キリさんの方が年上だけど、イリーナさんは負けてない。


物件についてやり取りしている。

立地、築年数、管理状態、買い手の有無、なんか従業員の住居契約なんかも交えている。


なんか2人ともイキイキしてる気がする。

僕は終わるまで他人事のようにゆっくりとお茶を頂こうかな。

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