物件探し
僕
「えっと、
アーサー王子に専属になれって言われて、
パエルモ伯爵とかに頼んで断ってもらって、
で、専属を諦める代わりに王都に出店して欲しいって言われて、
だから出店しようかな~、って感じです。
それで最初のお客さんにはアーサー王子を呼んだ方がいいかなって思ってます。」
キリ
「・・・はい。
なんとか、、、理解致しました。
とにかく、王族や有力貴族様がいらっしゃる予定ということですね。」
僕
「そうですね。」
キリ
「でしたら、
護衛の控え室、
馬車寄せ、
などの施設は最低限必要かと思います。」
僕
「馬車寄せ?」
キリ
「高貴な方の移動手段は基本的に馬車です。馬車寄せは必須でしょう。」
僕
「そうなんだ~。
そんな物件ってありますか?」
キリ
「ご安心ください。
当社の取り扱い物件の中から、いくつかピックアップ致しますね。
少々お待ちください。」
しばらく待つと、キリさんが書類を持ってきた。
キリ
「お待たせ致しました。
3件ございます。
ご覧頂けますか?」
3枚の紙が渡される。
キリ
「1枚目は非常に良い立地です。
街の中心部に近く、高級店の集まるエリアです。
2枚目は少し郊外寄りです。
ですが、広さも余裕があります。
3枚目はまだ現在の所有者が使っています。
少し古いですが、現在も飲食店として使用しておりますので、居抜きで入ることも可能です。
内見も可能ですが、いかがなさいますか?」
僕
「見られるんだ。
見てみたいです。」
キリ
「承知致しました。
今、馬車を用意致しますので、少々お待ちください。」
久しぶりの馬車。
キリさんと一緒に回ることになりました。
1軒目
ウェルチ不動産からもかなり近い。
貴族街のすぐそばだ。
いくつか周辺に店があるが、完全に高級店ばかり。衣料品店なんかもドレスなどの仕立てがメインって感じ。
お店は少し狭いかな。
以前は宝石店だったらしい。
当然キッチンなんかも全然無いので、使うなら大幅に改装する必要がある。
外観なんかはキレイで高級感があるのでけっこうそのまま使えるかも。
2軒目
ここはまだ営業中の飲食店だ。
カフェというよりは喫茶店という雰囲気のお店。街中にあるので便利ではある。
少し建物が古さは感じる。
中に入ると老夫婦がいた。
キリ
「あちらのご夫婦がオーナーです。
そろそろ引退を考えてらっしゃるので、お店の買い手を探しています。
厨房も覗いてみますか?」
僕
「ぜひ。」
厨房の設備はイマイチ。
まぁ、喫茶店だからね。
客席も普通の喫茶店だから、そのままは使えない。
うーん、これだと居抜きって感じにはならないかな。
3軒目
さっきの2軒とは離れて、少し郊外寄りになる。土地は広く、庭も確保出来る。
以前は豪商の持ち家だったらしい。
ただ商売が傾いたので手放したらしい。
建物はしっかりしているが、完全に住居なのでそのままは使えない。
ただ、個室での料理提供を考えているから、そこまで悪くないかも。
後は街の中心部からは離れているので、集客力がないと商売にならないだろうね。
キリ
「いかがでしたか?」
僕
「今回見た中だと、3軒目の郊外の物件かな。」
キリ
「ありがとうございます。
いかがなさいますか?」
僕
「さすがに即決は無理ですよ。
とりあえず押さえておくって出来ますか?」
キリ
「そうですね。
基本的には早い者勝ちではありますが、、、
10日程度なら予約として押さえることは可能かと思います。」
僕
「じゃあ、それでお願いします。
資料は頂いてもよろしいですか?」
キリ
「もちろんです。」
僕
「じゃあ、10日後までにまた来ます。」
キリ
「ありがとうございます。
お待ちしております。」
一旦持ち帰ってみんなに相談しよう。
なんか物件見てたらワクワクしてきたな。
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