ウェルチ不動産
モルトさん、エマさん、エリオさんとの契約も終えた。
念のため、情報漏洩を禁止する契約書も結んでいる。まぁ、違反したかどうかなんて、簡単にはわからないけどね。
3人とも給料には満足してくれたみたい。
イリーナさんには少し高過ぎるとも言われてしまった。パエルモでの家賃を僕が負担する設定にしたのがやり過ぎだったらしい。
加減が難しいね。
3人は引っ越しなどの準備を終え次第、お店で働いてもらうことになった。
モルトさんは妻子持ちなので少し時間はかかりそう。エマさんとエリオさんは前職を既に辞めた後なので、すぐに働ける予定だ。
思っていたよりもスムーズに人材確保が出来たので、店舗の物件確保も急がないといけない。王都に店舗に使える物件を探しに行こう。
そう思ってコーラル商会に顔を出したら、
イリーナ
「申し訳ございません。
少々商談が入っております。」
そう言って、不動産屋さんの名前と場所をメモに書いて渡してくれた。
は~、イリーナさんに同席してもらおうと思ったのに。自分で交渉するのは自信ないな~。今日は物件を見るだけにしよう。契約を結ぶ時は誰か詳しい人と同席してもらいたい。なにせ、大きな買い物だからね。
善は急げ。
早速、王都へ移動。
今日は商人っぽい服装。
冒険者スタイルで店舗探しはおかしいからね。
教えてもらったのは『ウェルチ不動産』。
王都中心部に立派な店舗を構える不動産屋さんだ。歴史もあり信頼できる大手不動産屋とのことだ。
「いらっしゃいませ。」
お店に入ると声をかけられた。
男性店員
「こちらへどうぞ。」
勧められた席に座ると。
男性店員
「本日はご来店ありがとうございます。
お約束ですか?」
僕
「いえ、初めて来ました。」
男性店員
「ありがとうございます。
本日はどのような物件をお探しでしょうか?」
僕
「レストラン向けの物件を探してまして。」
男性店員
「なるほどですね。
賃貸ですか?、購入希望ですか?」
僕
「出来れば購入したいです。」
男性店員
「なるほどですね。
店舗の購入となりますと、ギルドランクでDランクが必要となりますが問題ございませんか?」
僕
「あ、大丈夫です。Bランクなので。」
男性店員
「ギルドカードを拝見してもよろしいでしょうか?」
僕はギルドカードを差し出す。
男性店員
「ありがとうございます。
少々お待ち頂けますか。」
僕が頷くと店員さんは店の奥に入って行った。
すぐに戻ってきて。
男性店員
「お待たせ致しました。
こちらへどうぞ。」
店員さんに案内されたのは応接室。
すると今度は女性が入ってきた。
30代半ばぐらいかな、仕事出来ますオーラがバリバリ出ている女性だ。
女性
「本日はご来店ありがとうございます。
アキラ様を担当致しますウェルチ不動産のキリと申します。
アキラ様のご希望に沿える物件をお探し致します。宜しくお願い致します。」
僕
「えっと、、、
窓口じゃなくていいんですか?」
キリ
「窓口は一般のお客様用です。
特別なお客様はこちらの応接室にて、専任担当者がお話を伺うことになっております。
アキラ様はBランクの商人です。
相応の対応はさせて頂きます。」
僕
「そうなんですね。」
知らなかった。
すごいぞ、Bランク。
キリ
「レストラン向けの物件とのことですが、何かご希望はございますか?」
僕
「高級店を想定しています。
それに見合った建物がいいかな。
大きさはそれほど大きくなくて、
個室を3つ4つ、
キッチンは広め、
食糧庫に使えるようなスペースも欲しいかな。」
僕が話す内容をキリさんがメモしていく。
キリ
「高級店とのことですが、どの程度のランクを考えてらっしゃいますか?」
僕
「うーん。
今回はアーサー王子の要請でもあるし、
王子が来てもおかしくないぐらいの格式は欲しいかな。」
キリ
「第3王子のアーサー殿下のご命令で開かれる店舗ですか!?」
僕
「いや~、命令は拒否しました。
でも、相手は王子だし、出来れば王都に出店して欲しいって言うし、、、」
キリ
「なっ!?
可能な範囲で状況をお教え頂けませんか?」
あれ?
なんか変なこと言ったかな。
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