情報収集

「・・・で、私たちを呼んだの。」


「だって、、、」


僕に情報収集なんて無理だよ。

だから、アイラさんとマユラさんを連れて来ました。


アイラ

「人には適材適所というのはある。」


「でしょ!」


アイラ

「だが、チャレンジしないと身に付かないこともある。」


「うっ、すいません。」


マユラ

「まぁ、アキラ君を追い詰めても仕方ないか。それで何を調べればいいの?」


「魔族の幹部『狂嵐のボウザー』ってのが攻めてくるらしいんだ。」


アイラ

「狂嵐のボウザーが!?

なかなかの大物が動いたんだな。」


「知ってるの?」


アイラ

「もちろんだ。

この数年、セントラル大陸で一番猛威をふるった魔族だ。それがランドル王国に攻めてくるとなれば大事件だな。」


マユラ

「そうなんだ~。

リズムリア王国にいるとピンとこないよね。」


アイラ

「大陸の西部と東部では認識が全然違うからな。」


「だから、魔族の侵攻とその対応がどんな感じになっているか調べて欲しいんだ。」


アイラ

「わかった。」


マユラ

「アキラ君も参戦するの?」


「基本的には参加しないつもり。

危ないことはしたくないからね。」


アイラ

「・・・まぁ、おそらく対応策はとっているだろう。部外者が顔を出す必要は無いはずだ。」


マユラ

「じゃあ行ってくるね。」


しばらくしてカフェで合流しました。

アイラさんとマユラさんにお礼を兼ねてケーキセットをご馳走です。

う~ん。

ドライフルーツの入ったパウンドケーキだけど、少しパサつきが気になる。

紅茶と一緒に食べればなんとかって感じかな。


マユラ

「色々聞いてきたよ。」


「ありがとう。

どうだった?」


アイラ

「状況を説明しよう。

狂嵐のボウザーは大軍を率いてこのランドル王国を目指している。

人間側も連合軍を組織して迎え撃つ姿勢だ。各国の軍に冒険者で組織した討伐隊を加えた大戦力だ。

更にドバン帝国は勇者パーティーも派遣も行っている。切り札をきったな。」


「勇者?」


マユラ

「そう。

閃光の勇者って言うらしいわ。

すっごく強いんだって。」


閃光の勇者、、、

たぶん知ってる相手だ。

僕と一緒に転移してきた北条雅樹。

イケメン、運動神経良し、勉強も出来る。

クラスの中心人物。

僕の対極みたいな存在だ。

この世界に転移した時に奴隷になったと思っていたけど、きっちり主役やってるんだね。


アイラ

「戦場はここから西に行ったところにある平原だ。既に人間側は布陣は完了し、近日中には戦闘が始まる見込みだ。」


じゃあ北条君も近くにいるんだろうね。

関り合いになりたくないな。

落ち着くまでランドル王国は離れるかな。


マユラ

「あとね、

アキラ君が喜びそうな情報もあるよ。」


「え、なになに?」


マユラ

「隣国のボルトわね、

ブドウとオリーブの栽培で有名みたいよ。

ワインとオリーブオイルが美味しいんだって。」


「いいね。騒ぎがおさまるまでボルトに行ってくるよ。」


アイラ

「しかし、隣国だからな。

魔族が現れるかもしれないぞ。」


「面倒だね。

モンスターチームを連れて行くよ。

襲われても、倒してくれるでしょ。」


マユラ

「楽したいだけでしょ。」


「まぁまぁ。

ちゃんとおみやげ買って帰るから。

マユラさんはワイン目当てでしょ。」


マユラ

「にひひひ、期待してるね。」



アイラさんとマユラさんをパエルモに送って、代わりにモンスターチームを連れてランドル王国に戻りました。


ボルトは隣国、空を飛べばすぐに到着です。

上空から見ても畑だらけ。

あれがほとんどブドウとオリーブなのか~。

ここのブドウはそのまま食べる用じゃない。

僕はワイン飲まないからね。

どちらかと言うとオリーブオイルがメインかな。実も買いたいな。ピザとかアクアパッツァなんかに使うのもいいよね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る