狩りに出発
その後、ロイズさんと少し打合せして終了。
店のみんなにも報告。
マユラ
「ロイズさんってマメだね~。
わざわざ冒険者の儲かるイベントをセッティングして、しかも夜と朝は温かいご飯が食べられるんでしょ。
冒険者たちは大喜びね。」
ルーシュ
「前任のギルドマスターがむちゃくちゃでしたから、パエルモの冒険者ギルドの評判回復をしたいのでしょう。」
僕
「冒険者ギルドも評判って大切なの?」
アリエッタ
「大切だよ。
冒険者って移動をよくするから、人気が無いと避けられるし、すぐに離れられちゃうの。所属している冒険者が少ないと、冒険者ギルドも収入が少なくなるだろうし。」
アイラ
「ロイズ氏はしたたかだな。
山からジャイアントスノーラビットが降りてきているということは、つられて他のモンスターも降りてきている可能性がある。
その時もアキラがいれば安心だからな。」
なるほど。
ロイズさんは頭が良いから、たぶんアイラさんの言うことも計算に入っているだろうね。
せっかくの稼ぐためのイベントで、死人が大量に出たら大問題だからね。
当日は僕とアリエッタさんで参加することにしました。冬の森は危ないので年少チームは除外。アイラさん、マユラさん、アリエッタさんでじゃんけんをして、アリエッタさんが負けました。
マジックバックの存在はあまりオープンに出来ないのでリアカーを久々に出した。
ボゥに引っ張ってもらう。僕とアリエッタさんはリアカーに乗る予定だ。
出発日の朝。
冒険者たちは集合していた。
ロイズさんはギルドマスターとして街に残り、他のギルド職員が同行している。
集まっているのはDランクとEランクの冒険者なので、あまりパッとしない。
ほとんどが若手かランクアップを諦めた人のどちらかだからね。
パエルモ周辺にはCランクの冒険者に適した場所が無い。だから、Cランクが近付くと街を離れてしまうのだ。Bランクならタカート山で仕事が出来るのだが、Cランクには荷が重い場所だ。
職員
「満腹亭のみなさん、ご協力ありがとうございます。キャンプ地に到着しましたら、食事の準備をお願いします。
キャンプ地の周囲は冒険者たちが交代で警戒しておりますのでご安心ください。」
物腰の柔らかいおじさんだ。
でも小太りで体力があるようには見えない。大丈夫なのかな?
森までの道中は特に問題なく進めた。
僕らはボゥが引っ張ってくれているので、かなり速い。他の冒険者たちは基本人力だからね。ギルド職員は馬車を用意していたみたい。小太りおじさんは馬車に乗って中で休憩しているようだ。
途中、何度かアリエッタさんがナンパされていたけど、軽くあしらっていた。
馴れているらしい。
アリエッタ
「満腹亭の女性たちはみんな人気だよ。
こんなの馴れたもんだよ。」
僕
「そうなんだ。」
アリエッタ
「うちって、基本的に毎日お風呂に入って、髪の毛にはコンディショナー使うし、化粧水とか乳液使ってるよね。」
僕
「そうだね。」
僕の母親もそんな感じだったと思うし。
アリエッタ
「それって、上級貴族や大商人ぐらいしかやってないんだよ。」
僕
「えっ、そうなの!?」
アリエッタ
「やっぱりか~。
普通の市民は2、3日に1度、水浴びか濡らしたタオルで体を拭いておしまいだよ。
コンディショナーなんてないから、石鹸で髪の毛洗った後はゴワゴワになっちゃうし。
だから、満腹亭の女性たちは街の女性たちから羨望の眼差しで見られているんだよ。
髪はサラサラで光沢もあるし、肌も潤ってハリがある。匂いもいい。着ている服も新品。貴族でもこんな生活、下級だと無理らしいからね。」
僕
「そうだったんだ。
全然知らなかった。
たまたまうちの店に可愛い娘が集まったって思ってた。」
アリエッタ
「まぁね♪
素が良いのもあるかもしれないけど、どういう生活をするかで、見た目は全然違ってくるからね。」
アリエッタさんは少し嬉しそう。
まぁ生活が良過ぎると言われても、止める気はないけどね。健全な男子なら同居している女の子は可愛い方がいいもんね。
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