後ろ盾発動
何を言っても逃げ道を塞がれる気がする。
どうしよう?
王子様に言い勝てる気がしない。
僕
「嫌なものは嫌です。」
パエルモ伯爵が頭を押さえてる。
アーサー
「・・・ふふふ、ハッハッハッ。
面白い男だ。
だが、理由もなく我が誘いを断るのか?」
目は笑ってないね。
言うことを聞けってオーラが溢れてる。
僕
「なんであなたの言うことを聞かないといけないんですか!
僕はやりたいようにやります!」
イラッとして、つい言っちゃいました。
パエルモ
「アキラ、少し黙っていろ。」
僕
「す、すいません。」
間違いなく言い過ぎた。
アーサー
「私はアーサーだ。
この国の第三王子だ。
その私の依頼を理由もなく断ることが許されるとでも思っているのか。」
僕
「僕は僕の生きたいように生きる。
誰かに強制されるのはもう嫌なんだ。」
元の世界では好きなことなんて出来なかった。周囲の目を気にして。スクールカーストの底辺の僕はクラスのみんなの目を避けながら、目立たないように息を潜めていた。
でも今は違う。
誰かの目を気にして我慢するつもりはない。
アーサー
「それぞれが好き勝手に動かれては国は立ち行かん。
規律は守られねばならん。
言っている意味がわかるな。」
僕
「あなたの言葉は法律ですか?」
かなりイライラする。
アーサー
「王族の言葉にはそれ相応の重みがある。
従え。」
僕
「なら!」
パエルモ
「よせ! アキラ!」
僕の言葉をパエルモ伯爵を遮り、止めた。
パエルモ
「それ以上は不敬罪になる。
口を閉じておけ。」
僕
「でも!」
パエルモ
「私に任せろ。いいな!」
僕
「・・・はい。」
パエルモ
「殿下、これ以上アキラを挑発するのはお止めください。」
アーサー
「挑発したつもりはない。
私は真理を教えてやっただけだ。」
パエルモ
「とにかく。
アキラは連れ帰ります。
ご理解を。」
アーサー
「私の命令を無視すると。」
アーサー王子が語気を強めた。
セージ
「アキラは私が保護しましょう。
手に入れたければ、第二騎士団の守るバレティアを攻め落とす戦力をご用意ください。」
アーサー
「なっ!?」
パエルモ
「その際は、パエルモを通れるとは思わないで頂きたい。」
アーサー
「お前たち、、、正気か!?」
セージ
「正気です。
いかが致しますか?」
アーサー
「・・・ふ~。
好きにしろ。
リズムリア西部の二大巨頭を敵に回したと父上に知られれば私が殺される。」
パエルモ
「ご英断に感謝致します。」
アーサー
「王族を脅迫するとはな。」
セージ
「脅迫など、とんでもない。
ただ平身低頭、お願いしただけです。」
アーサー
「1つだけ聞かせてくれ。
その男には何がある?
なぜ、そこまで肩入れする?」
パエルモ
「満腹亭の料理が美味しい。
それだけではダメですかな。」
アーサー
「もういい。
もう私の元に来いとは言わん。
だが、王都への出店は考えておいてくれ。
お前の店の料理が美味しいのは間違いない。2号店は是非王都に建ててくれ。」
僕
「ありがとうございます。
ただ今は人員が足りません。
店を出すとなると優秀な人を確保して、教育して、、、とにかく年単位の時間がかかります。すぐに優秀な人が見つかるとも限りませんし。
その点はご理解をお願い致します。」
アーサー
「わかっている。
今日はすまなかった。
許せ。」
2号店か~。
考えたこともなかったけど。
今と違うコンセプトでやってみるのもありかな。地域によって手に入る食材が違うからね。
その後、少しだけ話をして、アーサー王子との面談は終了した。
パエルモ伯爵のお屋敷に戻ると、
パエルモ
「なんとか終わったが、油断するなよ。」
僕
「どういうことですか?」
パエルモ
「アーサー王子は間違いなく、お前に興味を持った。今後も何かしらの干渉をしてくる可能性はある。」
セージ
「王子の性格を考えれば、なんとかしてアキラを手に入れようと画策する可能性は十分ありますね。」
パエルモ
「私たちがいる以上、単純なゴリ押しはないだろう。からめ手になるとどんな手を使うか予測も出来ん。
警戒だけは怠るなよ。」
僕
「わかりました。」
なんか不安になるけど、一応は一段落したのかな。
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