アーサー王子

パエルモ

「飛行魔法というのは便利だな。」


セージ

「パエルモ卿、

アキラの飛行魔法は異常です。

速過ぎる。

普通はこんなスピードは出ません。

それにゆったり立っていられるのも異常です。普通は術者にしがみつき、落ちないようにするのが大変です。

風の抵抗もまったく感じないなどあり得ない状況です。」


「飛行魔法と結界魔法の併用です。

これなら空でモンスターに遭遇しても、はね飛ばして終わりだから安全ですよ。

長旅なら寝袋に入って寝ることも出来ますし。」


パエルモ

「その結界は安全なのか?」


「そうですね~、レッドドラゴンの大群にブレスを吐かれても、数時間は何の問題もないと思います。」


パエルモ

「・・・結構だ。」


パエルモ伯爵とセージさんが視線を交わして、なんか納得している。

2人が仲良くするのはいいけど、置いてきぼりは淋しい。


特にトラブルが起きることもなく王都に到着。


「どうされますか?

王都の外に降りて、歩いて入るのもいいですし、直接パエルモ伯爵のお屋敷に降りることも可能です。」


パエルモ

「私の屋敷に降ろしてくれ。

さすがに私やセージ団長が徒歩で王都に入るのは不自然過ぎる。」


「わかりました。

場所はどこですか?」


その後、パエルモ伯爵の指示に従って屋敷に着陸。パエルモにある屋敷に比べると小さいかな。貴族街みたいで他も立派なお屋敷が多い。王宮から離れるほど、屋敷のランクも下がる感じかな。

そう考えるとパエルモ伯爵は相当上位みたいだ。


それから夕食を食べ、客室が与えられた。

パエルモ伯爵とセージさんは大人の話をしている感じ。パエルモ伯爵の私室でお酒を酌み交わしてたみたい。バレティアとパエルモは近いから、元々親交はあったみたいだけど、仲良くなれたみたい。



翌日。

ついに王宮へ。

衛兵にアーサー王子の招待状を見せると、すぐに待機部屋に案内してくれた。

待たすね。

なかなか呼ばれない。


パエルモ

「王宮ではよくあることだ。

気長に待つしかないな。」


「こちらへどうぞ。」


ようやく案内されました。

疲れた~。

なんで待ち時間って疲れるんだろうね。


コンコンコン


衛兵

「満腹亭のオーナー、アキラ氏が参りました。」


「入れ。」


部屋に入ると、

20歳ぐらいかな。若い男性だ。

あれがアーサー王子だろうね。

金髪爽やかイケメン。

イケメン王子か~。

ハイスペックだね。

その両隣に衛兵が立っている。


僕らが部屋に入ると、アーサー王子の顔が歪んだ。


アーサー

「なぜ、飯屋の店主を呼んだら、パエルモ卿とセージ団長が一緒にいるんだ?」


パエルモ

「付き添いです。

お気になさらずに。」


アーサー

「これだけの大物2人を気にするな、というのは無理があるぞ。

率直に申せ、なぜ同席している。」


パエルモ

「では、申し上げます。

こちらにいるアキラが殿下のお誘いをお断りしたいと申しております。

どうか、ご高配を賜りたく。」


アーサー

「うむ。

言いたいことはわかった。

だが、厚遇は約束するぞ。

何が不満だ?

申してみよ。」


パエルモ伯爵が僕に目で合図する。


「えっと、、、

食材にワイバーンを使ってるんです。

パエルモを離れると狩りが出来ないですし、、、」


アーサー

「ワイバーンの肉ぐらい取り寄せてやるぞ。」


「今の店舗も気に入ってますし、、、」


アーサー

「もっと良い物件を用意しよう。」


なんか断る理由がどんどん潰されていく。


「パエルモが気に入ってるんで、、、」


アーサー

「ここも良い街だぞ。

王都ならリズムリア王国内で手に入るものは全て手に入る。

それに治安も良い。

王都に住みたいという市民は多いぞ。」


ま~ね~。

王都が悪いとは思ってないけど。


「えっと、、、

その、、、」


アーサー

「どうだ。」


なんか追い詰められてる気がする。

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