いざ王都へ

「よろしいんですか?

バレティアを留守にしてしまって。」


セージ

「私も年に何度かは王都に行く。

それと同じだろ。」


すると、近くにいた騎士が、

「急に離れられてはバレティアの守りが弱くなります。いつもは事前に準備を整えております。」


「じゃあ、セージさんがバレティアを離れている間、うちのモンスターをバレティアに駐留させます。それならどうかな?」


セージ

「助かる。

私の穴など十分に埋まるな。

お前たちも、それなら文句無いだろ。」


騎士

「団長、出発前に事務処理は終わらせておいてください。」


セージ

「すまないが少し時間がもらっていいか。」


「じゃあ、12日後に迎えに来ます。」


セージ

「ん? それで間に合うのか?」


「余裕ですよ。その時にモンスターたちを連れてきますね。」


セージ

「わかった。それだけ時間があれば問題ない。しっかりと王都行きの準備をしておくよ。」




そして、約束の日。


セージ

「よく来た。こっちの準備は万端だ。」


「宜しくお願い致します。

ガウ、リン、ゲコ。

僕が戻ってくるまで、この街を守ってて。」


ガウ

『容易いことだ。』


リン

『オッケ~。』


ゲコ

『任せておけ。』


セージ

「3体か。

どの程度の戦力だ?」


「そうですね~、

レベル50ぐらいのモンスターなら100体来ても問題なく倒せますよ。」


セージ

「・・・十二分だ。

行こうか。」


「じゃあ、行きましょう。」


セージ

「何で行くつもりだ?

魔動車か?

馬か?」


「パエルモまでは何も乗りませんよ。

行きますね。」


セージ

「ん?

えっ!?

なぁっ!!」


リターンポイントを使ってパエルモまで移動する。

いきなり目の前の景色が変わったことに驚くセージさん。


「特殊なスキルがあるんです。

詳細は秘密で、お願いします。」


セージ

「バレティアからパエルモが一瞬で移動出来るとは、、、

こんなスキルが広まれば戦争が変わるぞ。」


動揺するセージさんを連れてパエルモ伯爵の屋敷へ。

門番にパエルモ伯爵と約束していることを伝えると、簡単に通してくれた。


案内されたいつもの執務室にはパエルモ伯爵とザバスさん。


パエルモ

「・・・はぁ。

セージ団長の助力を要請せよとは伝えたが、

まさか本人を連れてくるとは、、、

バレティアの守りは問題無いのですか?」


セージ

「心配は無用です。

アキラのモンスターを配置してもらっていますよ。」


パエルモ

「いらぬ心配でした。

セージ団長も王宮に一緒にいらっしゃるおつもりですか?」


セージ

「そのつもりです。

アーサー王子には申し訳ないが、アキラを連れていかれたくはないのでね。

私は交渉事は苦手なので、パエルモ卿にお任せ致します。」


パエルモ

「考えられる最高の布陣でしょう。

お任せください。

アキラ、

本当に王都に間に合うのだろうな?」


「問題ありません。」


パエルモ

「ならば、出発して、王都にある私の屋敷に入ろう。王子との面談は明日だ。

セージ団長、たいしたもてなしは出来んがご容赦ください。」


セージ

「突然押し掛けてしまってすまない。」


パエルモ

「お気になさらず。

護衛は、、、いらんな。

ザバス、後のことは任せるぞ。」


パエルモ伯爵が僕とセージさんの顔を見て、護衛無しでの移動を決めたみたい。


ザバス

「承知致しました。

お気をつけて。」


「じゃあ、行きましょうか。」


パエルモ

「何で移動するんだ?」


「僕の魔法で空を飛んで行きますね。

バルコニーのある部屋ってありますか?」


大きなホール。

パーティーとかする為のスペースかな?

そこには大きなバルコニーがあった。


僕、パエルモ伯爵、セージさん。

バルコニーに出るとふわりと浮き上がる。


セージ

「凄いな。」


パエルモ

「いきなり領主が空を飛んでいたら、街がパニックになるぞ。」


「大丈夫ですよ。

外からは見えないようにするので。

じゃあ、結界を発動しますね。」


ザバス

「消えた!?」


「ねっ。」


セージ

「飛行系の魔法は消耗が激しいと聞く。

王都まで飛べるのか?」


「大丈夫ですよ。

アカツキ王国まででも飛べますから。」


パエルモ

「アキラの異常な活動範囲の理由がわかった気がするな。」


王都に向けて、いざ出発。

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