ふらい屋
孤児院のサポート計画である揚げ物屋さんの準備も進んでいる。
タチアナ様は忙しく動き回っているらしい。
今日は孤児院でコロッケとフライドポテトの調理実習です。
リィズとフィオが先生役。
僕とルーシュさんはサポート。
アイラさん、マユラさん、アリエッタさんは小さな子どもの世話をして、子どもたちが調理実習に集中出来るようにする手筈だ。
揚げ物屋さんの屋台に立つのは孤児院の中でも上級生の子どもが行う。
ただ、屋台は揚げるだけ。
下準備は孤児院で行う。
その下準備には、もう少し年下の子どもたちも参加する。
今日は午前中に調理実習を行い、作ったコロッケとフライドポテトをランチにする予定だ。
まずはコロッケ。
ゴロイモに切れ目を入れて、一気に茹でる。
そして茹であがったら、皮を剥いて潰す。
ここまでを温かい間に終わらせる。
ゴロイモに混ぜる食材は豚ミンチ、玉ねぎ、ニンジン。すべて細かく切って炒めてから茹でたゴロイモに混ぜる。
そして小判型に成型。
小麦粉、卵、パン粉を着けて準備は完成。
次にフライドポテト。
こっちは切るだけ。
芽は取るけど、皮は剥かない。
ただし、火の通りを考えてサイズをそろえていく。
切った後は水にさらす。
その後、水気をしっかりきれば完成。
後は揚げるだけ。
ただ、この世界には油の温度を一定に保ってくれるIH調理器のようなものはない。
火加減と油の温度は要注意だ。
コロッケは中身はすべて加熱済だから、表面がきつね色に揚がったら完成。
フライドポテトもきつね色に揚がったら完成だ。揚がったフライドポテトにのり塩、カレー味のシーズニングパウダーをかけて、混ぜ合わせる。
比較的簡単な調理だけど、子どもたちは悪戦苦闘。リィズ先生とフィオ先生は順番に子どもたちに手本を見せながら教えていく。
まだまだ子どもだと思っていたリィズとフィオが先生役をしている姿は感慨深い。
ほぼ同年代のリィズとフィオが丁寧に手本を見せてくれることで、上級生たちは熱心に調理実習に取り組んでいる。
一番苦戦したのは成型かな。
売り物だからね。
いびつだと売り物にならないし、あまりにサイズが違うとクレームになる。全員が同じサイズで作れる必要がある。
モデルサイズを粘土で作って、いつでもそれと同じサイズに作れるように練習が必要だね。
時間はかかったけど、昼過ぎには完成。
みんなで自分たちが作ったコロッケとフライドポテトを食べた。
子どもたちは大喜び。
「ゴロイモとは思えない!」
「これならゴロイモ毎日でもいいよ。」
「美味しい~!」
良かった。ホッと一安心です。
食後はみんなでお片付け。
屋台での毎日の販売だからね。
衛生面も気をつける必要がある。
そういうところも勉強が必要だね。
片付けが終わったら僕たちは孤児院を後にした。ゴロイモはまだあるということだったので、他の材料を渡して、この後も自主練をすることに。
さすがに肉は渡しておくと、すぐに傷むので、肉は満腹亭まで都度取りに来ることにした。
この冬の間に自主練を重ねて、スムーズに調理できるようになってもらいたい。
今後も何度か顔を出してサポートしていく予定だ。
ちなみに。
今回一番疲れていたのはアイラさんだった。
小さな子どもの相手が大変だったみたい。
アイラ
「子どもの体力は凄いな。
一緒に走り回るアリエッタを尊敬するよ。」
アリエッタ
「アイラさんはきっちりし過ぎだよ。
死ななきゃいい、ぐらいの感覚でやれば楽だよ。」
アイラさんとアリエッタさんの性格の違いだろうね。
マユラさんは子どもの世話が上手だった。
小さな子どもの相手を自然体でこなしていた。
マユラ
「妹の世話を見てたからね。
子どもの面倒を見るのは慣れてるよ。」
アイラさん、お疲れ様でした。
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