マヒルの旅立ち
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今回はマヒル視点です。
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マヒル
「じゃあね!
本当にありがとう!」
アキラ君と別れて、乗り合い馬車に乗り、モルタナの街を出発だ。別れ際にいくつかアイテムをくれた。本当に優しいよね。
最後の最後まで悩んだんだけどね。
たぶんアキラ君について行かせてって頼んだら、断られなかったと思う。でも全部アキラ君に頼りっぱなしっていうのは性格的に嫌なのよね。
リスクがあるのはわかってるけど、一度は自分の力を試してみたい。だから、別れる道を選んだ。
モルタナの街を出発して30分もしないで後悔しました。馬車がイメージと違う。
もっと快適だと思ってたのに、、、
昔、どっかのテーマパークで乗せてもらった時はもっと快適だったはず。
ガタガタしてうるさいし、お尻が痛い。
道が舗装されてないのと、馬車そのものの作りの問題なんだろうね。
ガウちゃんの背中は快適だったのにな~。
最初は怖かったけど、ガウちゃんは毛並みが良くてスベスベしてた。しかも意外と揺れも少なく、慣れたら快適だった。
それにスピードも全然違う。
遅い。
とりあえずアキラ君に買ってもらった洋服を座布団代わりにして、お尻を守ろう。
我慢して、ようやく今日の目的地の小さな村に到着した。
とりあえず屋根と壁がある所で寝られるだけマシって感じかな。
晩ごはんも美味しくない。
干し肉を煮込んだスープに固いパンを浸しながら食べる。とにかく腹を膨らませて、栄養を補給するためだけの食事だ。
マヒル
「アキラ君のサンドイッチ食べたいな~。
ハンバーガーも美味しかったな~。
おにぎり~、、、は~。」
眠る時も革鎧は脱いではいけないらしい。
安心できる個室の宿屋以外では貴重品は肌身離さず持ち、寝る時も警戒を怠らないことが重要らしい。
翌朝。
また乗り合い馬車だ。
お尻を守る防具が欲しい。
昨日も一緒だった旅商人のおじさんが話しかけてきた。
旅商人
「乗り合い馬車で移動なんてリッチだね。」
マヒル
「そうでもないですよ。」
警戒しないと!
旅商人
「ハハハ、そんなにあからさまに警戒しなくてもいいよ。そこまで悪人じゃないから。」
マヒル
「そうですね。」
自分から、悪人です、って名乗る悪人なんていないでしょ。
旅商人
「冒険者の同行者とは仲良くするようにしているんですよ。
モンスターや山賊に襲われた時に、仲良くなっていた方が助けてもらえる可能性があるからね。乗り合い馬車を利用するってことはそこまでお金に困ってないってことだろうから、盗みを行われる危険も低いからね。」
なるほど。
確かに一理ある。
もちろん油断させる為の方便かもしれないけど。せっかくだしおじさんと情報交換はしておこう。アキラ君には色々教えてもらったけど、まだまだ情報不足なのは間違いない。
その後も乗り合い馬車で一緒になった人とは話をするようにした。
やっぱりアキラ君はかなり異質な存在だ。
アキラ君の話に嘘はない。
でもアキラ君の行動はかなり異質。
普通の商人とは全然違う。
絶対に基準にしたらダメな人だ。
そして、数日後。
ようやく大きな街に到着した。
少しお金を稼ぎたい。
冒険者ギルドに行こう。
これからはお金を稼ぎながらの移動だ。
理想は南に向かう人の護衛だけど、ランクの低い私には護衛の仕事はない。
ランクも上げないと。
時間はかかるだろうけど、仕事を繰り返しながら、ジプート連邦のダンジョンを目指そう。
ダンジョンに到着する頃には冒険者ランクも上がってるよね。
出来ればDランクにはなってたいな。
冒険者の平均がDランクらしい。
ついでに、信頼出来るパーティーを組めると最高なんだけど。不用意に組むと危険らしいからね。慎重にいきたい。
マヒル
「あ~~~
アキラ君の料理が食べたいよ~!」
胃袋をつかまれるってこういうことなんだろうね。
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