モルタナのダンジョン

次はマヒルさんの装備。

標準的な革鎧とショートソード。

Dランク下位って感じの装備。

Cランクを目指すには物足りないけど、Dランクに上がるには十分ぐらいの品質。


さっきの洋服と装備はすべて僕のおごりです。まぁ、僕にとってはたいした金額じゃないけどね。新人冒険者には簡単に手が出せない内容だと思う。


マヒル

「なんか、冒険者って感じね♪」


「新米冒険者って感じだね。

装備がキレイ過ぎるからね。」


マヒル

「一言多いな~。

本当にこれ貰っちゃっていいの?」


「大丈夫だよ。

同郷のよしみってやつだね。」


マヒル

「ありがとう。

これからアキラ君はどうするの?」


「ダンジョンに入るよ。」


マヒル

「でも、すごく入場料が高いんでしょ。」


「確かに高いけど、深くまで入れば、十分黒字に出来るよ。」


マヒル

「そうなんだ。」


「マヒルさんも入ったらいいよ。

冒険者になるならダンジョンの経験は大切だと思うし。

そうだな~、、、

5日間、入場料と宿代を僕が出します。

それとガウをつけます。

ピンチになったら守ってくれますけど、基本的には手を出しません。

これが僕からの餞別です。

この間に稼いだお金は今後の活動資金にしてください。

それと、その間に今後どうするかを考えておいてください。」


マヒル

「5日間、、、

アキラ君、ありがとう。

色々考えてみる。」



そしてダンジョンへ。

ダンジョンに併設されるかたちで兵士の宿舎が建てられている。本当に兵士の訓練施設って感じ。


僕らは入場料を支払って中へ。

なんとガウまで入場料が取られたよ。

従魔はノーカウントでいいんじゃないの?


僕はマヒルさんと分かれて、どんどん進んで行く。マヒルさんはガウと一緒に自分のペースでダンジョンを探索して行く。

そして夜には宿に戻って晩ごはんを食べ、寝るまでの間にこの世界のことを教える。

それを繰り返していく。


なぜ5日間に設定したか。

5日あれば多分ダンジョンが攻略出来るかな~と思ったからだ。今まで通り100階がラストなら大丈夫だと思う。



そして僕の予想通り、5日目には100階に到達した。


『護るべきものを護る為の力。

 力無き者は何も護れない。

 全てを失う。

 言葉だけでは何も救えない。

 護る為の力を示せ。』


いつもの謎の声がする。

今回のテーマは『護る』らしい。

今までの傾向からすれば防御力が高い系のモンスターがボスかな?


ボスが姿を現す。

大きさは子どもぐらいかな。

ボスにしてはかなり小さい。

ダンゴムシみたいな見た目だ。

それが8体。

囲まれた状態でスタートになるみたい。

さてさて、どんな攻撃をしてくるのかな?


ダンゴムシが一気に動きだす。

まあまあ俊敏だ。

そして、

自分と同じ大きさぐらいの砲弾を撃ち出した。


当たるつもりはない。

僕はサッと避ける。


・・・なんか違和感があった。

なんだろう?


僕が考えている間もダンゴムシは動き回り、砲弾を撃ってくる。


今度は砲弾をスプーンで打ち返す。

自分の砲弾を食らってダンゴムシが吹き飛ぶ。


次の砲弾も打ち返す。

間に違うダンゴムシが入ってきた。


「わぉ!?」


ダンゴムシに当たった砲弾が反射して、また僕に向かって飛んできた。


なんじゃこれ??


その後、実験を繰り返して、ようやくルールがわかりました。

まずダンゴムシが出す砲弾は物理属性と魔法属性の2種類ある。

そしてダンゴムシ本体は防御力が高い上に、物理反射か魔法反射のどちらかがついている。

物理の砲弾を撃つダンゴムシは魔法反射。

魔法の砲弾を撃つダンゴムシは物理反射。


ダンゴムシは見た目では区別出来ないので、砲弾で区別する必要がある。

砲弾は色が違うので魔法属性か物理属性かはすぐにわかる仕組みになっている。


さてと、ルールもわかったし、そろそろ反撃開始といきますか。

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