モルタナの街
僕
「本業は定食屋をやってるからね。
うちの料理は格別だよ。
まぁ、今回のはただのサンドイッチとスープだけど。」
マヒル
「すごいよ!
元の世界でも人気店になるレベルだよ!」
僕
「そう言ってもらえると嬉しいね。」
マヒル
「それに、なんでスープが熱々なの?
今、温めてないよね?」
僕
「このマジックバックのおかげだよ。」
マヒル
「マジックバック?」
僕はランチを食べながらマジックバックについて説明した。他にもこの世界の食生活とかもね。
その後、ガウに乗って再出発。
途中に休憩をはさみながら移動。
ダンジョンのある街、モルタナ近くに到着した頃には日没になっていた。
僕たちは街には入らず、そのままテントで1夜を過ごすことにした。
僕のテントはマジックバックに組み立てて、色々完備した状態で入っているので便利です。さすがにシャワーは無いけど、湯船はある。魔法で水を入れて、温めれば即席のお風呂が出来上がる。
マヒルさんがお風呂に入っている間に焚き火を用意する。
うん、ただの雰囲気です。
ぶっちゃけ、テントの周囲には結界張ってるので、寒さはカット出来る。
でも普通のキャンプ風にしたいからね。
マヒル
「まさかテントで湯船に入れるなんて。
シャンプーやリンスも貸してもらえて良かったわ。昨日は石鹸だけで、髪の毛がガシガシしてたんだ。」
僕
「この世界だとリンスはまだまだ高級品だからね。」
マヒル
「じゃあ、アキラ君ってお金持ちな訳?」
僕
「ほどほどにはね。
定食屋のオーナーとして成功してる方だと思うよ。普通の低ランクの冒険者じゃあ、お風呂も毎日は入れないし。夏なら川で水浴びだけって人もいるよ。」
マヒル
「過酷ね~。」
晩ごはんはキャンプの定番、カレー!
今日はポークカレー。
豚バラの塊肉がゴロゴロ入っている。豚の脂の甘味が広がるんだよね~。
カレーを食べながら色々話をした。
僕
「じゃあ、そろそろ寝ますよ。
普通は街の外だと順番に見張りをして寝るんですけど、ガウが見張りをしてくれるから、気にせず寝てても大丈夫だよ。」
マヒル
「モンスターが普通にいる世界だと、眠るのも大変ね。」
僕
「じゃあ、おやすみ。」
マヒル
「おやすみなさ~い。」
翌日。
歩いてモルタナの街へ。
う~ん。
ダンジョンのある街にしては活気がない。
人は多いんだけど、冒険者がいない。
ダンジョンのある街特有の雑多な熱気のようなものがない。
僕
「まずは冒険者ギルドに行きましょうか。」
マヒル
「ギルド登録ね。」
僕
「はい。
身分証になるので持っておいて損はないはずです。僕の場合は商人ギルドですけどね。」
ここらへんの話は昨日の夜にしている。
冒険者ギルドの建物もダンジョンがある街にしてはこじんまりしている。
受付
「こちらへどうぞ。
今日はどうされました?」
受付の女性が優しく声をかけてくれる。
僕
「彼女のギルド登録をお願いしたいんだけど。」
受付
「わかりました。
では、こちらの書類に必要事項を記入してください。」
マヒルさんが書類を書いている間に質問をしてみる。
僕
「すいません。
ダンジョンがあるって聞いてきたんですけど、、、
どうして冒険者がいないんですか?」
受付
「ええ。ダンジョンはございますよ。
ただ、入場料が高額なので、普通の冒険者は来ません。明らかに赤字になるので。
ダンジョンは軍が管轄して、主に兵隊さんの訓練と資源確保に使っていますよ。」
僕
「ちなみに入場料は?」
受付
「1人250ウォンカです。」
なるほど、高いね。
宿屋で安ければ50ウォンカ程度。
宿代込みで1日300ウォンカ稼いでようやく赤字にならない程度。
こりゃ他所に行くわ。
あっという間にマヒルさんの登録は終わった。
ちなみにマヒルさんの職業はくノ一だった。
スピード重視の戦闘職って感じかな。
やっぱり珍しい職業らしい。
受付の人も驚いていた。
冒険者ギルドで登録を終えた後、洋服を購入。さすがにリクルートスーツでダンジョンは違和感が半端ないからね。
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