最初の選択
朝倉
「あなたも一緒に来て。」
僕
「いや、僕は行かないんで。」
柴田
「なんでだよ。」
僕
「奴隷解放も元の世界に帰る方法も興味ないから。
やりたいなら僕を巻き込まずに、自分たちだけでやって。」
柴田
「お前、何を言ってるんだ?」
朝倉
「まだ奴隷の友だちがいるんだよ。」
僕
「う~ん、
クラスに友だちなんていなかったし。
ただクラスが同じだけだった人に命がけで助けに行く価値は無いよ。
それにこの世界だと奴隷は合法だよ。
奴隷解放って言えば聞こえが良いけど、強盗と同じだからね。」
柴田
「お前、薄情だぞ!
クラスメートが困ってるのに、そんな屁理屈ばっかり言って。」
朝倉
「信じられない、、、
クラスメートなんだよ。」
クラスメートなら無条件に助けるって言うなら、元の世界にいた時に助けて欲しかった。
僕
「じゃあ、もう行くね。」
これ以上は平行線だよ。
まひる
「ちょっと待って!」
意外な人が呼び止めてきた。
座りこんだままのリクルート女性だ。
まひる
「近くの街まででいいの。
連れていって!」
僕
「僕でいいの?」
まひる
「はい。
お願いします!」
柴田
「ちょっと待てよ。
そんな薄情なヤツについて行くのか。」
朝倉
「私たちと一緒なら仲間もいるし、元の世界に帰ることも諦めてないんですよ。」
まひる
「ありがとうございます。
でも、、、お願いします。」
僕を見て頭を下げるまひるさん。
まぁ、一緒に近くの街まで行きたいと言うなら拒否する理由は無い。
僕
「わかりました。
じゃあ、こちらへどうぞ。」
僕は建物から離れるように歩いていく。
その後をまひるさんがついてくる。
朝倉
「考えなおして。
先生も悲しむよ。」
柴田
「後悔するなよ。」
しないよ。
まぁ、百田先生は僕の近くに来ると奴隷の腕輪の効果で苦しくなるからね。一緒にいることは出来ないからね。
少し離れてから、
僕
「あっち行かなくて良かったの?」
まひる
「そうね。
あっち行くと、奴隷解放を手伝わされそうだからね。馬場さんの方が何も強要しなさそうだったから。
私ももう少しで奴隷にされるところだったから、奴隷にされた人には同情するけど、見ず知らずの人を必死に助けに行くってほど善人じゃないのよね。」
素直な人だね。
僕
「出来ればアキラって呼んでください。
馬場ってこの世界では呼ばれてないんで。」
まひる
「私は長澤まひるって言うの。
じゃあ、私はマヒルでお願いね。」
僕
「マヒルさん、ね。
僕はこれからダンジョンのある街、モルタナを目指しているんだけど、送るのはそこでいいかな?」
まひる
「ダンジョンなんてあるの!?」
僕
「ありますよ。
じゃあ移動している間に僕が知ってるこの世界のことを教えようかな。」
まひる
「助かる~。
お願いしていいかな?」
僕
「了解です。
じゃあ、ガウに乗って。」
僕はガウにまたがり、僕の後ろに乗るように促す。さすがにいきなり僕の情報をフルオープンには出来ないからね。
テイマー感を出して、自分では飛ばないつもりです。
マヒルさんがガウにまたがり、僕にしがみつく。背中に嬉しい感触。
別にこれを狙ってた訳じゃないよ。
偶然です。
でも女子大生に後ろから抱きしめられて嫌な気分になる男子高校生はいないはず。
マヒルさん、けっこうかわいいし。
ガウが一気に飛翔し、天を駆ける。
マヒル
「え~~~~~!?
飛ぶの~~~~!?」
マヒルさんの叫び声がこだました。
しばらく飛んで、一旦着地して休憩することにした。
ちょうど昼時なので、ランチにする。
今日のランチはサンドイッチとスープ。
サンドイッチはツナマヨとハムレタス。
ツナマヨにはアカツキ王国で手に入れたたくあんを細かく刻んでアクセントにしてある。
スープは野菜たっぷりのミネストローネ風。
マヒル
「美味しい~。
昨日食べた料理とは全然違う!」
料理を食べて喜ぶ姿っていいよね。
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