ガウル国王との戦い

「わかりました。

手合せをお願い致します。

今日空いている時間はございますか?」


ガウル

「今日か。

夕食の後なら空いているぞ。

それでもよいか?」


「もちろんです。」


ガウル

「よし。

では、一緒に夕食を食べよう。

そして、食後に戦おう。」


「ありがとうございます。」



ガウル国王との会談の後、僕は別室で待機。

ガウル国王は公務をこなしているらしい。


そして夜。

王宮の料理を食べられるなんてラッキーだね。どんな料理か楽しみだ。


料理は意外と庶民的でした。

メインは豚肉のカシューナッツ炒め。

ナッツの食感がアクセントになっていて美味しかった。

スープはエビチリをそのままスープにした感じ。酸味のないトムヤムクンみたいかな。ピリ辛で食欲増進な味付け。


お腹が膨らんだところで訓練所に移動。

王族のみなさんやテッドさんも一緒です。

ガウル国王には一男三女の子供がいた。

長男が後継者らしい。

既に結婚している。

奥さんは妊娠中らしい。

・・・ガウル国王、

もうすぐおじいちゃんなら、もう少し落ち着こうよ。



訓練所に到着すると騎士たちもいた。

興味があったんだろう。

居残りしてたみたい。


ルールは前回のテッドさんと同じ。

木刀を使用して戦うことになる。



さて、

どうしよう?


負ける気はしない。

勝てるけど、さすがに王様をボコボコにするのは気が引ける。後で周囲の人たちに叱られそうだし。

でも手抜きをするとガウル国王がへそを曲げそう。さじ加減が難しい。


そんなことを考えていると試合の時間がきてしまった。

審判役の騎士が前回と同じ説明をする。


審判

「はじめ!」


ガウル

「さぁ、どうする?」


「僕が攻撃するとすぐに終わってしまうので、ガウル国王からどうぞ。」


ガウル

「フフフ、面白い!」


ガウル国王が突っ込んでくる。

スピードに乗ったまま、下から斬り上げる。

僕が体をずらして避ける。

ガウル国王も予想していたのか、流れるような連続攻撃につなげる。

しかし、

僕には当たらない。

すべて避けていく。


ガウル国王が後ろに下がって距離を取る。


ガウル

「私の攻撃をすべて見切るとは、、、

これだから戦いは面白い!」


ガウル国王が再び仕掛けてくる。

鋭い突き。

もちろん避ける。

左手で木刀を上段に構える。

しかし、不自然だ。


ガウル国王は右手を握りしめ、ボディブローを放つ。

至近距離でのフェイントと肉弾戦。

でも、遅い。

僕には届かない。

僕は木刀でガウル国王の右手を軽く打ち払い、そのままの流れでガウル国王の後ろに回り込む。


ガウル国王が驚きつつも振り返ろうとする。

頬に当たる木刀の感触。

ガウル国王の首もとには僕の木刀が。


ガウル

「参った。

ここまで圧倒的とは、、、

私も修行が足りないな。」


「十分強いと思いますよ。」


ガウル

「遥かな高みからの言葉だな。

初めて、どう足掻いても届かないと感じたぞ。」


「いや、そんな、、」


こんな時に最適なセリフは何?

誉められ過ぎると言葉が出てこなくなる。


ガウル

「約束だ。

熟練の農夫を用意しよう。

10日後に来てくれ。

それまでに準備をしておこう。」


スカウトして、契約して、本人に出張の準備をしてもらう。

それを10日でやるのはかなりのハードスケジュールだと思う。

部下に相談なく決めちゃうあたり、かなりの豪腕だね。部下は大変そうだけど。


「ありがとうございます。

10日後にまた来ます。」


ガウル

「また戦ってくれるか?」


「何かお願いしたいことがあれば、お受け致します。」


ガウル

「現金なヤツめ。

まぁ、また遊びに来い。」


「ありがとうございます。」


これで実験農場も一歩前進だね。

他にも問題は出るかもしれないけどチャレンジは続けるよ。美味しい物のためには努力は惜しみません。

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