お留守番

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

今回もアキラは出てきません。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


リン

『店の回りでこそこそしてるヤツがいるよ。どうする?』


アイラ

「どんな連中だ?」


リン

『冒険者っぽい3人組。何度も店の回りをウロウロして、中を覗いてる。』


アイラ

「警戒した方がいいな。

リン、警戒を続けてくれ。

店や仲間に危害を加えそうなら捕まえよう。」


リン

『わかった。』




その日の閉店後。


アリエッタ

「今のところ特に動きはないね。」


マユラ

「何か仕掛けてくるとしたら夜中じゃない?」


アイラ

「思い込みは危険だ。

ただ夜間の警戒体制はとった方がいいだろうな。」


ルーシュ

「パエルモ伯爵の紋章を掲げる満腹亭に手を出そうとするなんて、よほど腕に自信があるか、よほど愚かなのか。」


アイラ

「とりあえず、今日から数日は2人1組で寝よう。」


マユラ

「じゃあ、

アイラとリィズ。

私とフィオ。

アリエッタとルーシュでいい?」


アイラ

「ああ。

バランスが良いだろう。」


リィズ・フィオ

「「よろしくお願いします。」」


リィズとフィオは護衛対象であり、他のメンバーは護衛としての役目を持っている。

日頃は平和なので意識しないけど。




そして深夜。


パリン

ガラスの割れる音が響く。

窓から侵入する3人の男。

顔に布を巻き隠している。


ゲイル

「簡単に入れたな。

まずは女、子どもを拘束するぞ。」


うなずく2人。


コリンズ

「なかなか美人みたいだからな。

高く売れるんじゃないか。」


ウィッツ

「俺たちで楽しむのもありだぜ。」


ゲイル

「楽しむのは全てが終わってからだ。」


3人は息を殺し、3階に上がる。


そして、とりあえず一番手前のドアを開ける。ベッドには2人の女性が眠っている。

アイラとリィズだ。


男たちはベッドの傍らに立つ。

そして剣に手をかけようとした時。


バッ!

ベッドの上のアイラが飛び起きる。


ダッダッダッ

ドアからマユラとアリエッタが飛び込む。


呆気にとられた3人組は反応出来ない。

気がついた時にはゲイルの目の前にアイラの剣の切先があった。

そして、槍を構えたマユラが背後をおさえ、アリエッタの銃口が狙いをつけている。


アイラ

「こんな夜中になんの用だ。」


ゲイル

「クッ、クソッ!!」


ゲイルは剣を向けられているにも関わらず、抜刀し、反撃しようと試みた。


しかし。

アイラの刀がゲイルの腕を打つ。

刀背打ち。だが骨が折れたのは間違いない。


ゲイル

「グァッ」


悲鳴をあげ、腕を押さえるゲイル。

そのゲイルを蹴りとばすアイラ。

その混乱の中、マユラがコリンズを槍の柄で殴り倒す。

取り残されたウィッツもアイラの拳であごを打ち抜かれ、脳震盪をおこしダウン。


その間もアリエッタの銃口は男たちをとらえたまま、万が一に備えていた。

ルーシュはフィオの前に立ち、こちらも護衛の役割を果たしていた。


その後、3人を縛りあげ、

その間にアリエッタが衛兵を呼んできた。

衛兵が連行することで、一連の襲撃は呆気なく終結した。


強盗の現行犯。

言い逃れは出来ない。

強盗の罪は重い。

良くて犯罪奴隷。

死刑も十分にあり得る。

犯罪奴隷となった場合も刑期は非常に長いものになるだろう。




誰一人怪我することなく終わった襲撃であったが、留守にしていたアキラがみんなのことを心配し、満腹亭が普通には侵入することすら出来ない難攻不落の要塞と化したのは後の話である。


アキラの手によって強固な結界システムが用意された。

仮想の侵入者役をゲコとその子分が担当。

ゲコたちが本気を出しても大丈夫なレベルのセキュリティ。

ドラゴンのブレスでも耐えられる結界。

使用するには一晩で大きめの魔石を1つ消費する。更に強い攻撃に曝されるともっと多くの魔石を必要とする。

魔石を消耗するが、その防御力はアキラの従魔がどんな攻撃をしても破壊出来ないものであった。

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