サンティ

サンティは街の名前であり、島の名前でもある。この島内はすべてサンティと呼ばれるらしい。


まずは美味しいごはんを食べよう。

聞き込みなんて僕には出来ないから、お客さんが多そうで、外観も良さげなお店を選ぶ。

出てきたメニューはタコスっぽいサンド。

ひき肉の代わりに魚のそぼろみたいなのが入っている。味付けはトマトソース系にサルサソースって感じかな。パクパクいける味。美味しかった。

それとスープ。ブイヤベースに近いかな。やはり魚介類がたっぷり入ると旨味が強い。

カジキのステーキ。これは追加料金を払って頼んだ。味付けはシンプル。塩とハーブ。

さすがに港町で食べると鮮度がいい。脂ものってて美味しかった。


島々は全て海に囲まれているから、魚は完全な地産地消。味付けや調理法は島によって違うらしい。基本的にはそれほど手が込んだことはしないというのと、暑いので傷みやすいから、しっかりと火を通すのはマストらしい。


市場ではセントラル大陸の物とハンドル群島の物がごちゃ混ぜで売られている。

僕はセントラル大陸の物はいらないけど、ここの人たちにとっては舶来品ってことで高級なんだ。


それと市場で買い物している時に面白そうな話を聞いた。

サンティの近くに『魔の海域』と呼ばれる場所があるらしい。モンスターがいっぱい出てくるらしく、船は避けて通るらしい。

僕たちには絶好の狩場になるんじゃないかな。今日は街中を見て回って、明日潜ってみよう。

ベルフォームの海とはかなり違うのかな?

楽しみだね。



翌日。

僕はドラと一緒に魔の海域に潜った。

結界を張ってるから濡れる心配は無いし、回収はドラが頑張ってくれる。


水面付近はイカ・タコ祭りです。

人間と同じぐらいの大きさのイカとタコが大量に飛びかかってくる。

僕の結界に大量にへばり着く。

片っ端から倒していくけど、墨も吐くから、視界がどんどん悪くなっていく。


イカとタコをある程度回収出来たら、更に潜っていく。

ようやく魚たちが出てくる。

やっぱり南国の海は鮮やかな魚が多い。

どんな味なのかな?

時々、大型のエイやサメ、カジキみたいなのも襲ってくる。

これはさっき食べたカジキステーキの元かな。なかなか美味しかったし、確保だね。


更に潜っていくと、、、


「大きいな~。」


珊瑚みたいなトゲトゲがはえた巨大なウツボ。もはや龍って雰囲気になってる。


ドラ

『オレも倒していいか?』


「じゃあ、適当に暴れておいで。

僕はここで数匹狩ってるから。」


ドラ

『よっしゃぁ!

行ってくるぜ!』


ドラと一緒にウツボを狩っていく。

僕が倒すと七色の珊瑚がドロップする。

たぶん貴重品なんだろうね。

ウツボの肉も大量に手に入れた。

美味しいのかな?


海底には変わったモンスターが色々いた。

爪がやたらに多いカニ。

大量のハサミで襲ってくる。

カニ爪が大量に手に入るからお得だね。


ブラックタイガーならぬブラックライオン。

えっと、、、エビなのにたて髪があるよ。

そしてデカさもライオン並。


殻を持たない貝。

ノーガードシェル。

ノーガード過ぎでしょ。

見た目はハマグリのむき身。

防御力は低いけど、素早い。


とりあえず、全部集めてみました。

美味しいのかな?

帰ったら順番に試してみよう。


沢山海産物が手に入った。

ちなみにノーガードシェルを僕が倒すと黒真珠が手に入った。

やっぱりベルフォームとは全然違うモンスターたちがいた。

定期的にハンドル群島にも来ないとね。


大量に海産物が手に入ったし、今日の夜にはサンティを出発しようかな。

そんなことを考えながら街を歩いていると、ふと違和感があった。


「なんだろ?」


ドラ

『どうしたんだ?』


「なんか違和感あったんだよね。」


もう一度観察するとすぐに原因はわかった。

歩いていたのは倉庫街なんだけど、その中の1つに認識阻害の効果が施されていた。

普通の人は目の前を通りかかっても、なんとなくスルーしてしまう、という効果だ。ここを目的地にしている人が発見出来ないという程の強い効果は無い。


こういうのはまず無い。

貴族の屋敷の隠し部屋にこの手の加工がされていることはあっても、倉庫全体というのは異常だ。

少し調べてみようかな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る