結婚式スタート

実験農場にモルガンさんたちが入って、ようやくスタートした。

まだまだ使用するハウスは少ない。

まずは苺やメロン、スイカからスタートする。これらはパエルモで春から夏に収穫される果物だけど、冬の収穫を目指している。

ゆくゆくは南国のフルーツとかを栽培したいんだけどね。

今度、苗木とかを仕入れに南方に行きたいね。



そして今日。

本日はお店は臨時休業。

貸し切りでビックイベントです。

イリーナさんとヒメレスさんの結婚式!


でも、実は元の世界の結婚式とはけっこう違う。

まず、ウェディングドレスなんかは着ない。

なにせ、服は高級品。

ドレスなんて、庶民は手が出ない。

持っている服の中で、一番良い服を着て、お披露目をするだけ。

新郎新婦の両家の親族が集まって、みんなで飲み食いするだけ。

それが結婚式だ。


貴族や豪商は立派な結婚式を行うらしい。

これは僕のような異世界人の影響が大きいらしい。どちらかと言うと見栄を張ってる感じかな?



そして今日、満腹亭で両家が集まって飲み食いすることになっている。

イリーナさんは幼い頃に家を出ているので、コーラル商会のみんなが家族代わりに出席している。

ヒメレスさんは家族や親族が集まっている。


なんやかんやで満腹亭はいっぱいに。

コーラル商会の店員さんも多数参加している。僕たちは食事とお酒を担当している。

イリーナさんは遠慮してたけど、お世話になっているから、少しは盛り上げたいってことで、役目を買って出た。


貴族のパーティーじゃないから料理は庶民的にして、とイリーナさんから言われている。



今回のメインは唐揚げ。

にんにくを効かせたパンチのある一品。

僕はもも肉派なので、ジューシーで食べ応えのある味に仕上がっている。


春巻き。

筍のシャキシャキ食感と肉の旨みが感じられる。春雨が手に入らなかったので、こんにゃくを小さく細切りにして代用している。


シュウマイ。

カニとホタテのほぐし身をたっぷり入れてます。旨味の暴力と言っていい。ご飯にもお酒にも合う味付け。


エビチリ。

パエルモは海鮮を使った料理が珍しいから、作ってみました。豆板醤や甜麺醤なんかは手に入らないけど、アカツキ王国で買った味噌を複数組み合わせて調整している。


八宝菜。

ウィリアムさんのお野菜が大活躍。

白菜、人参などの甘さが広がる優しい味わい。


棒々鶏。

鶏肉ときゅうり、それにくらげ。

ゴマだれでさっぱり食べられる一品。


デザートはごま団子。

外はカリッ、中はトロッ。

揚げたゴマの香りが鼻に抜ける。

自作のあんこは甘さ控えめで、小豆の風味がよく感じられる。



庶民的というより、中華定食になっちゃいました。

これらの料理をビュッフェ形式で食べる。


飲み物もいっぱい用意したよ。

庶民の居酒屋は冷えた飲み物はない。すべて常温だ。だから、冷えたビールなんかを用意すると、とても喜ばれる。



そして。

続々と参加者が集まってきた。

前に立つのはイリーナさんとヒメレスさん。


ヒメレス

「ほ、本日はお集まり頂き、ありがとうございます。私、ヒメレスはイリーナと結婚しました。」


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ヒメレス

「今日は満腹亭さんのご厚意で食事会を開くことになりました。

え~、、、

皆さま、どうかお楽しみください。」


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ヒメレスさんがペコリと頭を下げる。

挨拶はかなりたどたどしかったけど、頑張ったと思う。


イリーナ

「本日はお祝い頂き、誠に有難うございます。満腹亭さんの特製メニューがところ狭しと並んでいます。間違いなく美味しいと思いますので、ご自由にお楽しみください。」


イリーナさんは流暢だ。

ヒメレスさんのたどたどしい感じとは真逆で、流れるような話し方は耳ざわりが良い。

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