戦争奴隷
セージ
「さて。
腹も膨らんだし、本題に入ろうか。」
僕
「はい。お願いします。」
セージ
「10人用意した。全員農業経験者だ。
職業が農民の者も3名いる。
戦争奴隷の使用期間は10年だ。
そこで解放するのがこの国のルールになっている。それ以降も使いたければ、雇うかたちになる。そこは本人同士の話し合いだ。
戦争奴隷は勝手に解放したり、逃げられたりした場合、所有者に責任を問われることがある。気をつけてくれ。」
なるほど。
確かに勝手にバンバン解放したり、大量に逃げられたりしたら、国の治安悪化につながるかもしれない。奴隷の腕輪を着けていても、見張りは必要かもしれないな。
僕
「わかりました。」
しばらくすると、騎士が前後を挟むかたちで奴隷たちが連れて来られた。
全員男。
20代~30代ぐらいかな。
まぁ、戦争に参加していた人たちだから、おじいちゃんとか子どもって可能性は低いよね。
セージ
「お前たちを引き受けることになったアキラ氏だ。お前たちの所有者になる。命令には従うように。」
奴隷たち
「「「「はい。」」」」
セージ
「お前たちは運が良い。
普通は戦争奴隷は危険な仕事を与えられることが多いが、アキラ氏は農作業を行う人手を求めている。
普通の農民に近い生活が出来るだろう。
そのことに感謝を忘れるなよ。」
奴隷たち
「「「「はい。」」」」
連れて来た騎士が全員の名前を教えてくれるけど、一気に10人も覚えられないよ。
騎士
「先頭のモルガンがリーダーです。
彼に指示をすれば問題ありません。」
先頭に立っていた男。
30代半ばぐらいの年齢。
かなり筋肉質で身長も高い。180センチは軽く超えてそう。少し威圧感があるけど、僕が所有者だからね。
僕
「モルガンさん、
それにみなさん、
よろしくお願いします。」
僕が頭を下げるとセージさんは少し渋い顔をした。
セージ
「奴隷を扱った経験はあるのか?」
僕
「ええ、何人か。」
セージ
「そうか。。。
何かわからないことがあれば、いつでも聞いてくれ。」
僕
「ありがとうございます。」
セージさんは奴隷たちの方を向き、
セージ
「このアキラは私にとって大切な友人だ。
もし迷惑をかけるようなことがあれば、第2騎士団すべてを敵に回すと思っておけ。
いいな。」
奴隷たち
「「「「はい。」」」」
完全に脅してます。
僕が頼りないと思ったのかな。
僕
「それじゃあ失礼しますね。
セージさん、ありがとうございました。」
セージ
「またいつでも遊びに来なさい。」
僕
「はい。
ありがとうございます。
じゃあ、みんなついて来てください。」
僕は奴隷たちを引き連れてゾロゾロと街を出ていく。
モルガン
「どちらまで歩いて行くんですか?」
僕
「街を出るとこまでだよ。
そこから飛んで行くから。」
モルガン
「???」
とりあえず街の外に出て、僕の結界魔法でみんなを囲う。
そして飛翔。
からの猛スピード。
モルガン
「なっ、なんだこれは!?」
僕
「魔法だよ。
あっという間に到着するから、ちょっとくつろいでて。」
奴隷たちはオロオロ、キョロキョロ。
まったく落ち着かない。
まぁ、気持ちもわからなくはない。
いきなり空の上だからね。
僕の魔法ならバレティアからでも農場までそれほど時間はかからない。
彼らが落ち着く前に実験農場に到着した。
僕
「僕に関係すると不思議な体験が多少あると思うけど、知らない人に口外しないでね。
バレると狙われそうなことも多少あるから。」
モルガン
「ああ、今痛感したところだよ。
元の所有者の秘密保持は当然の内容として奴隷契約に組み込まれているのでご心配なく。」
僕
「そうなんだ。
教えてくれてありがとう。
それでね、ここがみんなに働いてもらう場所なんだ。」
モルガン
「周辺の森を開墾するのか?」
僕
「いや、そんなことは頼まないよ。
説明するね。」
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