鉄を集めよう

バレティアで鉄が不足しているらしい。

普通は鉱山で鉄鉱石を採掘して、製鉄して、運ばれて来るらしい。

ただ、バレティアには鉱山はない。

パエルモもない。

リズムリア王国にも鉱山はあるらしいけど、バレティアからは遠いらしい。

だから、今回の一件で不足してもすぐには供給が追い付かないらしい。



よし。

ゴーレムを倒そう。

下級のゴーレムは鉄をドロップする。

僕が倒せばドロップアイテムは必ず手に入るからね。


早速ゴーレムの庭に移動。

僕は上空を飛び回りながら片っ端からゴーレムを倒していく。

モンスターたちは僕の後を追いながら、ドロップアイテムを拾っていく。

日没近くまで繰り返したら相当集まったよ。


せっかくだし、バレティアに泊まって翌日も鉄集め。

モンスターって何故か知らない間に増えてるんだよね。不思議な現象ではある。

でも、さすがに昼頃にはゴーレムが見つからなくなったので街に戻った。


その足でゲボルグさんのお店に訪問。


ゲボルグ

「なっ!?」


・・・固まりました。


「大丈夫ですか?」


ゲボルグ

「す、すまない。

あまりの多さに絶句してしまったよ。

さすがに全部は買い取れないな。

4分の1ぐらいでもいいかな。」


「もちろんです。

セージさんも欲しいらしいんで、残りはそちらに回します。」


ゲボルグ

「セージさん、、、

騎士団団長か!?

そんな方とも知り合いなのかい!?」


「まぁ、色々ありまして。」


ゲボルグ

「しかし、この量が供給されればバレティアの鉄不足もかなり緩和されそうだな。」


「そうなれば良いですけどね。

あ、なので割高に買い取る話は無しでいいですよ。」


ゲボルグ

「いいのかい。

うちとしては有難いけど。」


「バレティアの復興支援を目的にしているんで、別に儲けは無くてもいいんですよ。」


ゲボルグ

「太っ腹だね。」


「バレティアが安定しないとパエルモにも悪影響が出ますからね。」


ゲボルグ

「なかなか大局的な見方をするね。

その歳ですごいよ。」


「そんなことないですよ。」


ゲボルグ

「おかげで今依頼を受けている武器の修理や納品は遅滞なく出来そうだよ。

もし私で力になれるようなことがあれば、なんでも言ってよ。

恩を返さないとね。」


「何か作って欲しい物が出来たら、また来ますね。」


ゲボルグ

「いつでも歓迎するよ。」


「じゃあ、また。」


僕はゲボルグさんのお店を出て騎士団のところを目指した。

残念ながらセージさんは留守だったので、余っていた鉄を騎士に渡して、パエルモに帰った。




そして約束の日。

バレティアまでひとっ飛びしてセージさんに会いに行く。

騎士団の本部に行くと話が通っているんだろうね。すぐに案内してくれた。

通された応接室で待っているとセージさんと付き人の騎士がやって来た。


セージ

「よく来てくれた。

それと、先日鉄を大量に納品してくれたみたいだな。ありがとう。」


「焼け石に水でしょうけど。」


セージ

「いやいや。

あの量はかなりインパクトがあったぞ。

代金の支払いは商人ギルドを通じて行っておくから、少し待ってくれ。」


「よろしくお願いします。」


セージ

「さてと、まずはランチとしよう。

食後に奴隷たちを紹介するよ。」


「ありがとうございます。」


応接室にランチが運ばれて来る。

食事をするのは僕とセージさんだけ。

周囲の騎士は立ったまま待機している。

・・・ちょっと気になって食べづらい。


ランチなので、ディナーほどかしこまっていない。

メインはポークカツレツ。

そこにパンとサラダ、スープ。

スープはトマト系にホルモンが入っている。

ポークカツレツやスープなどはけっこうガッツリ系だ。ボリュームもあるし、味付けもニンニクを効かせている感じ。

まぁ体格の良い騎士たちが食べる食事だから、そうなるのかな。

味はシンプルで美味しかったです。


セージ

「バレティアはパエルモよりも肉食だ。

モンスターの肉は潤沢に手に入る。

穀物や野菜はパエルモの方が豊かだがな。」


「美味しかったです。

ごちそうさまでした。」

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