ゲボルグ工房の近況
ゲボルグ
「先日の戦いで武器や防具もかなり損傷したようでね。
今、工房は武器や防具の修理の依頼で大忙しだよ。」
僕
「すいません、忙しい時に。」
ゲボルグ
「いやいや、そういう意味じゃないよ。
仕事が順調だってことだよ。」
僕
「ハハハ、そうですか。
良かったです。」
ゲボルグ
「それで、
ちょっとお願いがあるんだけど。」
僕
「なんですか?」
ゲボルグ
「武器や防具に使える素材を持ってないかい?あれば買取りさせてもらいたいんだけど。」
僕
「いいですよ。
レッドドラゴンの革とか余ってるんで、どうですか?」
ゲボルグ
「ブッ!
す、すまない。
そんな高級素材はちょっと困るかな。
CランクやDランクの冒険者が使うぐらいの素材がいいんだけどね。」
僕
「多少はあると思いますよ。
鉄や魔鉄のインゴットも多少なら。」
ゲボルグ
「助かるよ。
今は街中が資材不足だからね。」
僕
「また手に入ったら持って来ますね。」
ゲボルグ
「ありがとう。
今ならいつもよりは高く買い取るから、よろしく頼むよ。」
僕
「わかりました。それじゃ。」
僕はゲボルグさんのお店を出て、いよいよセージさんに会いに行く。
セージさんは第2騎士団の団長を務めている僕と同じ異世界人だ。
爵位も持っており、伯爵らしい。
パエルモ伯爵と同じだから、相当偉いんだろうね。リズムリア王国の守りの要らしいから当然なのかな。
僕は騎士団の建物に行き、以前にもらった短刀を衛兵に見せたら、すぐに応接室に案内された。
騎士団の応接室は質実剛健といった感じ。
机や椅子は高そうだけど、華やかさはない。
剣とか鎧とか旗とかがそれっぽく飾られている。
しばらく待つとセージさんが騎士を1人引き連れてやって来た。
セージ
「アキラ君。
よく来てくれた。
歓迎するよ。」
僕
「すいません。お忙しいところを。」
セージ
「気にするする必要はないよ。
君の助力が無ければ街は滅んでいた。
忙しく出来るのも君のおかげだよ。」
僕
「そんな、言い過ぎですよ。」
セージ
「いやいや、事実だよ。
もう少し落ち着いたらアキラ君のお店にお礼を言いに行こうと思っていたところだ。
君の方から来てくれて有難いよ。」
リンとゲコは上手くやってくれたみたい。
ものすごく評価が高い。
これならお願いも聞いてくれるかな。
僕
「そう言って頂けると良かったです。」
セージ
「うむ。
それでお礼をしたいのだが、何か希望はあるかい?」
僕
「それなんですけど、
戦争奴隷を10人ほど分けて頂くことは可能ですか?」
セージ
「戦争奴隷を?
理由を聞かせてもらえるかな。」
僕
「山奥で実験的な農場を行おうと思っているんです。場所はパエルモ伯爵から頂いたんですけど、働いてくれる人を集めるのが難しくて。それでパエルモ伯爵から、今ならセージさんにお願いすれば戦争奴隷を斡旋してくれるんじゃないかと言われて。」
セージ
「なるほど。。。
ちなみに実験的な農場とはどんなことをするんだい?」
僕
「ハウス栽培のイメージです。」
セージさんも僕と同じ異世界人なので、これだけである程度伝わる。
セージ
「ほう。
面白そうだね。
この世界の設備で実現するにはいくつかハードルがありそうだけど、、、
人員確保に動いているということは、ある程度の道筋は出来ているということかな。」
僕
「そうですね。
後はトライ&エラーで何度か試したらいいかなと思ってます。」
セージ
「わかった。
捕虜の中から農業経験のある者を選ぼう。
2、3日待ってくれ。」
僕
「ありがとうございます。
じゃあ4日後にまた来ます。」
セージ
「4日後か。
なら昼前ぐらいに来てくれないか。
お礼をかねてランチをご馳走するよ。
バレティアの料理はパエルモとは少し違うからね。」
僕
「ありがとうございます。
楽しみにしておきます。」
セージ
「ああ、そうしてくれ。」
僕
「あっ、そうだ。
今バレティアは資材不足だと聞きましたが、何か欲しい物はありますか?」
セージ
「木材、石材、鉄、すべて不足しているよ。木材は近くの森で急いで伐採しているし、石材も採取させている。
鉄だけはバレティアには鉱山が無いからね。一番時間がかかるだろうね。
もし手に入れば売って欲しい。」
僕
「わかりました。
知り合いの武器職人さんからも頼まれたので、少し集めてきますよ。」
セージ
「ありがとう。
期待しているよ。」
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