オルドという人
オルド
「まずは状況を説明しておこう。
現在、ギルドマスターのマックスウェルとサブマスターのロイズの双方が相手の不正を糾弾している。
そのため、私の方で事実確認と裁定を行うことになった。」
僕
「マックスウェルの言うことを信じる訳ないですよね?」
オルド
「ふ~。
君の言いたいことはわかる。
だが、公平に話を聞き、公正に裁定する。
それが私の仕事だ。」
僕
「わかりました。
僕は何をすればよろしいのでしょうか?」
オルド
「まずは当時の状況を教えてくれるか。」
僕
「わかりました。」
ロイズさんから呼ばれたこと。
従魔を連れて倒したこと。
トレインの犯人を捕まえたこと。
それをパエルモ伯爵に突き出したこと。
その後、ロイズさんに報告したこと。
報酬を貰ったこと。
順を追って説明した。
オルド
「こちらで聞いている話と齟齬はない。
マックスウェルからはそんなことは出来ないという、君の実力に対する異議が申し立てられている。」
僕
「僕の実力ですか?」
オルド
「正確に言えば君の従魔だな。
可能ならば君の従魔の実力を確認したいので協力をお願い出来ないか。」
僕
「いいですよ。
何をすればよろしいですか。」
オルド
「このジルと手合せをお願いしたい。」
僕
「全員ですか?」
オルド
「いや、1体でかまわない。
他の従魔の実力も類推出来るからな。」
僕
「わかりました。
じゃあ、外に出ますか。」
オルド
「街の外に出た方がいいだろう。
周辺に被害が出たら問題だからな。」
僕
「わかりました。
じゃあ街の外まで行きましょう。
みんなはこのまま店の片付けしておいて。」
みんな
「「「「わかりました。」」」」
僕とモンスターたち、オルドさんとジルさんで街の外まで歩いていく。
街の門から少し離れたところで、
オルド
「そろそろいいだろう。
どの従魔にするのかね?」
僕
「ゲコにします。
ゲコ、怪我をさせないようにね。」
オルド
「心配は無用だ。
ジルもなかなかに腕が立つ。」
ゲコとジルさんが離れて向かい合う。
オルド
「はじめ!」
ゲコがタッタッタッと駆け寄る。
ジルさんが剣を構える。
ゲコが接近する。
ジルさんが剣を振り下ろす。
ゲコを斬り裂く、、、かに見えたが、
それは残像だった。
霧散するゲコの姿。
ジル
「なっ!?」
ジルさんの首筋に刃の感触。
ゲコはジルさんの後ろに立ち、首筋に刀を突きつけている。
オルド
「勝負あったようだな。」
ジル
「申し訳ございません。
まったく動きを追えませんでした。」
オルド
「離れて見ていた私も見失う動きだった。
私の人生で最速のモンスターだな。」
僕
「どうでしたか?」
オルド
「圧倒的な実力だ。
君がワイバーンを全滅させる実力を持っていることは確認出来た。
ちなみに他の従魔も同等と考えてよいのかな?」
僕
「得意不得意はあるけど、みんなだいたい同じくらいの実力かな。」
オルド
「なるほどな。
先ほどのカエルタイプの従魔は何が得意なんだ?」
僕
「器用さが一番高いから、安全に勝ってくれるかなと思って。」
オルド
「なるほど、、、
パエルモ伯爵があのような強引な手を使ったのも理解出来る。
時間をとらせたな。
確認作業は終了だ。」
僕
「ロイズさんはどうなるんですか?」
オルド
「彼が不正を行った証拠は現時点で何もない。マックスウェルの主張の根幹は『ワイバーンの群れを単独で倒せる訳がない。』ということだけだ。
君にその実力があった以上、別の証拠が無ければロイズが有罪となることはない。」
僕
「マックスウェルが証拠を捏造したら?」
オルド
「私を欺くだけの証拠を捏造されると厳しいな。だが、マックスウェルが不正を働いた証拠は既にそろっている。
マックスウェルが今から動いたところで間に合わないと思うがね。」
良かった~。
オルドさんの話を聞く限り問題は無さそうだ。
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