報告と報酬
ザバスさんに連れられて行くと再びパエルモ伯爵が待っていた。
パエルモ
「待たせてすまなかった。
ワイバーンの群れはいなくなっていることの確認が取れた。
アキラよ、お前の活躍に感謝する。
なにか褒美を与えたいのだが。
なにか希望はあるか?」
僕
「褒美なんて、いいですよ。
冒険者ギルドの依頼ですし、そちらから報酬も貰いますから。」
パエルモ
「そうもいかん。
他への示しもあるのでな。」
僕
「それでは、少し考える時間をください。」
パエルモ
「いいだろう。
では、来週、再びここに来てくれ。
可能な限り要望に応えよう。」
僕
「ありがとうございます。」
パエルモ伯爵の屋敷を出て、次は冒険者ギルドへ。
冒険者ギルドも少し落ち着きを取り戻しつつあった。
ロイズ
「アキラ君、ありがとう。
倒してくれたみたいだね。」
僕
「すいません、報告が遅くなってしまって。パエルモ伯爵と騎士団に実行犯の受け渡しを行っていました。」
ロイズ
「かまわないよ。
騎士団から報告が回ってきたからね。
おかげで街に被害は出ずに済んだよ。」
僕
「まぁ、ワイバーンを倒すぐらいなら簡単ですから。」
ロイズ
「ふ~、
君が好戦的な性格をしていなくて本当に良かったよ。
さてと、今回の報酬を渡さないとね。
後で素材買取りカウンターに今回のワイバーンの針を渡してくれ。
倒した数に応じて報酬が支払われる。
アキラ君が全滅させたから、総取りだよ。
緊急事態ということも勘案して、かなり高額に設定してあるよ。」
僕
「集まった冒険者たちはどうなるんですか?」
ロイズ
「当然、参加報酬は支払うことになるよ。
危険手当込みだったから、参加報酬だけでもバカにならない金額になるだろうね。」
僕
「冒険者ギルドは大丈夫なんですか?
破産とか?」
ロイズ
「ハハハ、問題無いよ。
冒険者ギルドは大きな組織だからね。
それに伯爵からも支払いはあるし、そもそもパエルモ支部は非常に潤っている支部だからね。今回の出費は痛いけど、致命的ではないよ。」
僕
「それなら良かったです。
じゃあ報酬受け取ってきますね。」
ロイズ
「ああ、そうしてくれ。」
買取りカウンターで次々ワイバーンを出した。
係員
「申し訳ございません。
ちょっと数が多過ぎるので、報酬は明日でもよろしいでしょうか?」
僕
「問題ないですよ。
あっ、お肉は持って帰っても問題ないですよね?」
係員
「大丈夫ですよ。
今回の報酬はワイバーンの針でカウントすることになってますから。」
僕
「ありがとうございます。
じゃあ明日来ますね。」
係員
「よろしくお願いします。」
ようやく終わった!
長かったな~。
怒涛の1日だった。
疲れたな。
家に帰ろう。
僕
「ただいま~。」
みんな
「「「「おかえりなさい」」」」
リィズ
「大丈夫ですか?
お怪我はありませんか?」
僕
「全然問題ないよ。
ワイバーンはすぐに倒せたんだけど、その後の報告とか確認が時間がかかっちゃって。」
フィオ
「嫌なことはされませんでしたか。」
僕
「パエルモ伯爵もロイズさんも優しかったよ。パエルモ伯爵からは褒美に何がほしいか考えるように言われちゃったよ。」
アイラ
「ワイバーンの群れを簡単に全滅させる人間に喧嘩を売るような愚か者はいないよ。」
マユラ
「で、褒美は何にするの?」
僕
「う~ん、考え中。
難しいよね。」
アリエッタ
「まぁ、アキラ君はだいたい何でも持ってるからね。」
ルーシュ
「地位や土地などでしょうか?」
僕
「う~ん。
ゆっくり考えてみるよ。
今日は疲れたから晩ごはん食べたら、早めに寝るよ。」
リィズ
「今日の晩ごはんはピーマンの肉詰めと、大根と手羽元の煮込みです。」
僕
「いいね!
ウィリアムさんのピーマンは大きいから、肉詰めにはピッタリだね。」
ようやく長かった1日が終わりました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます