決着

ヒロユキが迫ってくる。

ボゥの結界を見てニヤリと笑う。


ヒロユキが棒で一撃。

ボゥの結界が粉砕される。


ボゥ、ホンダ公爵、僕。


ヒロユキ

「チェックメイトだ!」


目前に近づくヒロユキ。

倒れていたモンスターたちが起き上がる。

一斉にこちらに駆け寄る。


ヒロユキ

「間に合うかよ。」


ヒロユキが棒を振りかぶる。

ここでボゥが選んだ魔法は結界魔法ではなく回復魔法。

自分の身を守るのではなく、仲間の回復。

ボゥらしいね。


ヒロユキの棒がボゥに届くことはない!

僕が許さない!

僕のスプーンがヒロユキの心臓を穿つ。

そしてヒロユキを吹き飛ばす。


転がるヒロユキにモンスターたちの攻撃が殺到する。

土煙が立ちこめる。


ホンダ

「やったか!?」


普通なら倒せてないフラグをおっ立てる。

でも間違いなく殺したからね。


『憤怒レベル1を取得

 暴食と色欲、強欲、嫉妬が反応

 暴食がレベル+1

 色欲がレベル+1

 強欲がレベル+1

 嫉妬がレベル+1

 憤怒がレベル+4』


やっぱり大罪スキルを持ってたか~。

これで大罪スキルも5つ目。

残りは傲慢と怠惰。

揃うのもなんか恐ろしいスキルなんだよな。

でも大罪スキルの効果は絶大だからな~。


『暴食 レベル5

 飲食を行うとステータスが上昇する

 食物による毒、食あたりなどを無効

 料理ボーナス

 愛情ボーナス

 魂の捕食 弱


 色欲 レベル5

 無制限にテイム可能 7体

 進化限界突破


 強欲 レベル5

 アイテムドロップ率100%

 レア率逆転


 嫉妬 レベル5

 スキル殺奪

 スキル強奪

 スキル習得 強


 憤怒 レベル5

 一時的にステータス上昇 40倍』


暴食は『魂の捕食』という謎の効果が増えた。

色欲はテイムモンスターが1体増加。

強欲はレアドロップ率アップだったのが、逆転という表記に変わっている。

嫉妬はスキル習得が強にランクアップ。


新しく手に入れた憤怒は一時的なステータスアップ。

おそらく、これがヒロユキの異常な強さの原因だと思う。今はレベル5で40倍。おそらくレベル1でも異常なアップ率だったと思う。

それにあれだけ暴れてたんだから、レベルも相当高かったと思うしね。

まぁ、僕が憤怒に頼るような相手が出てきたら、大問題だけどね。基本的には使うことはないかな。



戦闘はまだ続いている。

でもデジーマ軍が優勢だ。

絶対的存在のヒロユキを失ったことでレッズは逃げ出す人間が続出している。

ホンダ公爵もノリノリだ。

騎士団を率いてレッズを追いたてている。


夕方には勝敗は完全に決した。

砦で勝どきを上げている。


逃げたレッズはオワッリに籠るようだが、すぐに決着はつく見通しのようだ。

やはりヒロユキの存在は大きかった。

烏合の衆となっているレッズはもはや脅威ではない。

近日中に討伐隊が派遣される見通しのようだ。



とりあえず片付けも含めて、一晩砦に泊まることになった。


そして翌日。

少しの見張りを残してデジーマに帰還することになった。


凱旋。

死を覚悟して見送った人々が喜びを爆発させながら迎えてくれる。

街中が喜びに包まれる。

デジーマ騎士団や志願兵たちも誇らしげだ。


広場に到着すると、ホンダ公爵がスピーチを行った。


ホンダ

「我々は勝利した!

レッズのような無法者が我々に勝つことは出来ない!

我々の故郷を守らんとする志を折ることは誰にも出来ない!

ヒロユキは死んだ!

ヒロユキを失ったレッズなど何を恐れる必要がある。

レッズの崩壊はもう秒読みだ!

デジーマの勝利だ!

散っていった英雄たちに鎮魂を!

凱旋した英雄たちに祝福を!

祝おう!

我々の勝利を!

宴だ!

宴の準備をせよ!」


ホンダ公爵の掛け声から宴を行うことになった。街は活気が満ちている。これがデジーマの本来の姿かもしれない。

折角の宴なら僕らも楽しまないとね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る