デジーマの危機
宿で夕食を食べながら情報を整理することになった。
ちなみに夕食のメインはミックスフライ。
エビフライと魚のフライ、それにクリームコロッケだね。
揚げたては正義だね。
外サクサク、中ふっくらで美味しい。
ソースしかないのが残念だな。タルタルソースも欲しかった。
マヘリア
「大変なことになってるみたいね。
ここから東に行ったところにあるオワッリという街がレッズと名乗る組織に乗っ取られたの。」
僕
「そんな簡単に街を乗っ取れるものなんですか?」
マヘリア
「普通は無理よ。
各街にはちゃんと戦力が配置されているからね。でもそれを倒して支配してしまったらしいの。
しかもアカツキ王国も当然黙って見ている訳もないから、討伐の兵を差し向けたらしいけど、それを全て返り討ちにしたみたいよ。」
ミレイ
「大問題ですね。」
マヘリア
「そしてオワッリの次にこのデジーマを狙っているみたいね。
だから、街を離れる商人も多いみたい。
領主様はデジーマとオワッリの間に簡易な砦を作って迎え撃つ姿勢よ。」
ヒナタ
「それでも逃げ出す人がいるってことは、レッズが勝つと思っているってことですか?」
マヘリア
「下馬評は圧倒的にレッズ優勢よ。
なにせ、あっという間にオワッリを支配して、討伐に来た王国軍を二度も返り討ちにした実績があるからね。
デジーマの戦力では勝てないんじゃないかと思われているわ。」
ヒナタ
「レッズはなんでそんなに強いんですか?」
マヘリア
「リーダーのヒロユキという男が異常な強さらしいわ。
曰く、1人で100人の騎士を瞬殺した、とかね。とにかく暴れだしたら誰も止められないらしくて、騎士団を1人で崩壊させるらしいわ。その圧倒的な力に色々な人間が群がっている感じね。」
僕
「1人で100人の騎士を瞬殺なんて出来るんですか?」
ミレイ
「アキラなら出来るだろう。」
ヒナタ
「つまりアキラさん並の実力ってことですか!」
僕
「僕はそんなことしないけど、、、」
マヘリア
「普通はしないんじゃなく出来ないのよ。」
僕
「でもそんなヤツを相手に砦を築いて対抗しようとしているんでしょ。
大丈夫なの?」
マヘリア
「たとえ勝てないとわかっていても逃げないのがアカツキの兵らしいわよ。
みんな死を覚悟して砦に向かっているらしいわ。だから送り出す街の人たちも辛い面持ちをしているみたいよ。」
なんか戦時中の日本みたいだね。
街を守る為に死を覚悟して出発する。
君死にたもうことなかれ、って気持ちなのかな。辛いね。
マヘリア
「でも、厄介よね。
このレッズが暴れているとデジーマが機能不全になるわ。貿易には多大なマイナスよ。
アカツキ王国の物品がベルフォームに入ってこなくなるわ。」
僕
「それは困ります!」
マヘリア
「残念だけど、こればっかりは仕方ないわ。この前のパエルモでの野盗騒動は騎士団が解決してくれたけど、今回は解決出来る戦力が存在しないもの。」
ミレイ
「アカツキ王国も静観出来る状況ではないから、対策は考えているだろうが、既に2度失敗していることを考えると、慎重になるだろうな。」
ヒナタ
「騎士100人を瞬殺する男、ヒロユキを倒す、、、簡単には無理そうですね。」
ヒロユキ。
破格の力を持つ男。
この男を止めないとデジーマの貿易は正常化しない。
仕方ないかな。
嫌だけど。
他に方法がない。
僕
「明日、砦に行ってみます。
モンスターたちに頑張ってもらえばなんとかなるんじゃないかな。」
マヘリア
「本当にいいの?
これは大規模な戦闘になるわ。
すべてモンスターたちに任せられるとは限らないわよ?」
僕
「嫌ですけどね。
でも食材の輸入が最優先です。」
ミレイ
「ぶれないな。」
マヘリア
「無茶しちゃダメよ。」
僕
「わかってますよ。」
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