契約を終えて
ハモンド
「この度はご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
今後ともご贔屓に宜しくお願い致します。」
僕
「ありがとうございました。」
僕はアリエッタさんとルーシュさんを引き連れてハモンドさんのお店を出た。
もう夜だ。
急いで宿をとる。
けっこう高級なお宿です。
時間がなかったから色々買うのは明日かな。
夕食を食べながら今後の予定を説明する。
僕
「今日は遅くなったから、買い出しは明日にしましょう。」
アリエッタ・ルーシュ
「「はい。」」
僕
「今後のことを少し説明しますね。
僕はリズムリア王国パエルモで『満腹亭』という定食屋をやっています。
2人にはそのお店で住み込みで働いてもらいます。但し、ホールスタッフ兼護衛もしてもらうつもりなので、まずはレベルを上げてもらいます。
なのでパエルモに行く前にヒルギスのダンジョンでレベル上げします。
とりあえずはそんなとこかな。
質問はある?」
アリエッタ
「目指すレベルはどれぐらいですか?」
僕
「最低でも40、出来れば50ぐらいかな。」
アリエッタ
「えっ!?
さすがに高過ぎませんか?」
僕
「大丈夫です。
僕もサポートしますし、実際に今働いているメンバーはみんなレベル40超えているからね。まぁ、細かい説明はヒルギスに到着してからしますよ。」
アリエッタ
「・・・わかりました。」
僕
「他に質問はありますか?」
ルーシュ
「本当に私を連れて行くつもりなのですか?
不幸になってしまいますよ、、、」
僕
「大丈夫、、、じゃない?」
ルーシュ
「甘くみないでください!
みんな、そう言って呪いの被害にあっていくんです。私に関わったことを後悔するんです。
いいえ!
後悔出来た人はマシです。命を失った人は後悔すら出来ないんです!」
ルーシュさんが必死に訴えてくる。
早くなんとかしてあげたい。
僕
「じゃあ、僕について来て。」
僕らは宿を出て、街の外に出る。
既に夜。
僕の魔法で光を灯す。
僕
「じゃあ、始めようか。」
僕はルーシュさんの前に立つ。
僕
「『解呪』」
僕の手から光が溢れ、ルーシュさんを包む。
ルーシュ
「あぁっ!」
ルーシュさんの体から黒い煙がもくもくと出てくる。
その黒い煙が集まり形を作っていく。
それは黒い大きな魚のような形。
魚だけど骨だけ。
禍々しい。
眼球は無いけど間違いなく僕を睨んでいる。
骨魚が鋭い牙で僕に迫ってくる。
僕はスプーンを振り抜き、骨魚を打ち砕く。
骨魚は粉々に砕け、霧散する。
僕
「これで解呪出来たんじゃないかな?」
ルーシュ
「うぅぅ、、、
あ、ありがとう、、ございます、、、
わたし、わたし、、、」
ルーシュさんは泣き崩れている。
どうしよう?
こういう時どういう言葉をかけたらいいのかな?
僕がおどおどしていると、
アリエッタ
「今はそっとしておこう。
落ち着いたら宿に戻りましょ。」
僕
「そ、そうですね。
あっ、そうだ。
アリエッタさんはこれを飲んでください。」
アリエッタ
「これは?」
僕
「ポーションです。」
アリエッタ
「HPは減ってないけど?」
僕
「体にいいから。」
アリエッタ
「まぁ、命令なら。」
アリエッタさんがしぶしぶ飲む。
するとアリエッタさんの体がうっすら光に包まれる。
アリエッタ
「えっ!
えぇぇぇぇーっ!!」
アリエッタさんが右手を見ながら驚きの声を上げている。
僕が渡したのは普通のポーションじゃないからね。多少の欠損ぐらいは回復する。
ルーシュさんもアリエッタさんもしばらく動けなさそう。
少し待とう。
・
・
・
アリエッタ
「ごめんなさい。
ちょっと気が動転してしまった。
後、ちゃんとお礼を言ってなかったよね。
本当にありがとうございます。
まさか、指が戻ってくるなんて信じられないわ。部分欠損まで回復できる薬があることは知ってたけど、高価過ぎて私が使うことがあるなんて想像もしてなかったわ。」
僕
「僕の家にはこういうアイテムが置いてあるんだ。だから秘密は守って欲しいし、護衛にはそれに見合った実力を求めているんです。」
アリエッタ
「納得だわ。
さて、そろそろルーシュに声をかけて帰りましょうか。」
僕
「そうだね。」
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