割安な価格
ハモンド
「3人目もかなりお買い得ですよ。
マホはなんと言っても高位魔道士です。
しかもレベル29。
冒険者ならBランク相当です。
50万ウォンカでも安いぐらいです。
前の持ち主の貴族様が大きな損失を出したらしく、その穴埋めのために急いでお金を集める為、格安で売りに出ました。
マホからも何かありますか?」
マホ
「お願いだから、私を奴隷から解放して!
奴隷から解放してくれたらなんだってするから!
ねぇ!」
必死に訴えてくるけど、既にズレてる。
このドバン帝国では奴隷の時点でなんでもさせられる。奴隷解放の御礼が『なんでもする』では解放する意味がない。
まだこの世界に馴染みきれていないのかもしれない。
僕の表情に出たのかな?
ハモンドさんが次に進めた。
ハモンド
「最後はバレッタさんです。
彼女は特殊な契約になっていまして。
実力を認めた相手に雇われたいという彼女の要望に沿うかたちになっています。
彼女と戦って実力が認められれば最安値は1万ウォンカです。
テイマーの場合は連れているモンスターも参戦可能だそうです。お強いモンスターを連れてらっしゃいますからチャンスではありませんか?
彼女はレベル49。
ブレイカーは標準職ですが、間違いなく世界トップクラスの実力です。
挑んでみて損はないですよ。」
僕
「あっ、そういうの大丈夫です。
うちは普通に働いてくれる従業員探してるだけなので。」
バレッタ
「なんだよ~、
強そうなモンスター連れてるじゃん。
やろうよ~。」
めんどくさい人だ。
僕
「けっこうです。」
キッパリお断りする。
僕も成長してるんです。
ハモンド
「ですよね~。
私もたぶんダメだと思うよ、伝えていたんですけど。
そちらのオオカミと戦いたいと言って聞かなく」
まだハモンドさんが話をしている最中だった。突然バレッタがガウに襲いかかった。
しかし、ガウが瞬発力に勝った。
サッと後ろにさがってバレッタの一撃をかわした。
バレッタ
「ククク、良い反応だね~。
その眼、やる気満々じゃないか。
飼い主を説得してくれよ~。フフフ」
ガウが睨みつける。
ガウ
『いつでも八つ裂きにしてやるぞ。』
ハモンド
「止めなさい!
さすがに非常識が過ぎます!」
奴隷の腕輪が輝く。
バレッタ
「フフフ、
私はあまり効かない体質みたいでね~。
さぁ、やろうよ。」
ハモンド
「そんな!?」
僕
「今度、攻撃を仕掛けてきたら容赦はしませんよ。死んでも恨まないでくださいね。」
バレッタ
「ククク、
じゃあ、やるってことだねー!!」
どういう頭をしてるんだ?
明らかに断ってるだろ?
ガウに再び襲いかかるバレッタ。
しかし、ガウはサッと再び避ける。
そして、その間に僕の即死魔法がバレッタに当たる。
ガウに襲いかかったバレッタは空中で即死し、受け身も取れず地面に激突した。
バレッタはブレイカーという標準職だった。
そして力と素早さは確かにレベル49としては非常に高かった。ということは、他のステータスに割り振られるポイントはかなり低くなるはず。おそらく魔法抵抗力とかは紙装甲だったんだろうね。
起き上がってこないバレッタに駆け寄るハモンドさん。
ハモンド
「はっ、、、
運び出しなさい。」
部下がバレッタを運び出していく。
ハモンド
「誠に申し訳ございませんでした。
私どもの手落ちです。
お詫びと言ってはなんですが、今回提示致しました3名の価格を半額に致します。」
僕
「商売上手ですね。
僕の選ぶ人がわかってて、そういうサービスするんだから。
アリエッタさんとルーシュさんをお願いします。」
マホ
「ちょっと待ってよ!
なんで私だけ選ばないのよ!」
ハモンド
「お客様によって求める条件が異なりますからね。仕方ないことですよ。」
ハモンドさんはにこやかにしながらも、マホを退席させる。
ハモンド
「それでは手続きを進めていきますね。
少々お待ちください。」
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