踊るカエル

ベルフォーム2日目。

朝市で買い出し。

みんな僕の買う量に驚いていた。

そりゃ、良い干物を見つけたら陳列されている物を全部買っちゃうよね。


トコブシを発見。

トコブシはざっくり言えば小さいアワビだ。

聞いたら素潜りで漁師さんが採っているらしい。


後は醤油や味噌などの調味料。

マジックバックがあって良かったよ。

大量に買い込んだからね。




午後からは再び海に突入。

するといきなり奇妙な光景に出くわした。


海中でカエルが踊ってる?

カエルって海にいたっけ?

淡水の生き物だよね?

でも異世界ならそれぐらいあり得るのかな?


ドラ

『なんだあれ? 倒すか?』


僕の直感が言う。

これはテイムのパターンだと。


「いや、テイムする。」


僕はカエルに手をかざし、「テイム」と言った。

すぐにテイムは成功。

名前は『ゲコ』かな。


「よろしくね、ゲコ。」


ゲコ

『ゲコか。

 良い名だ。

 こちらこそよろしく頼む。』


ん?

声がやたらに渋い。

見た目とのギャップが激しいな。


『ゲコ

 シートード


 HP  9/9

 MP  8/8

 力 7

 丈夫さ 6

 魔力 5

 魔法抵抗力 5

 素早さ 9

 器用さ 9


 スキル

 水泳 レベル1

 舌 レベル1』


まぁ、弱いよね。

そこは期待してなかったし。

最初はみんなこんな感じでした。


シートード。

泳ぎが得意なカエルモンスターらしい。

一生の大半を海中で過ごすようだ。

攻撃手段は舌。

相手に絡みつかせて水中に引っ張り溺れさせる。


今から行く海底エリアでは完全な実力不足。

大人しく僕の結界に入っていてもらう。


昨日と同じく僕が魔法でバンバン倒して、ドラが回収していく。

その間、暇なゲコには昨日獲得した魔石を食べさせる。



あっという間にゲコは進化を迎えた。

進化先は4つ。


ラージシートード

定番の巨大化


ポイズンシートード

毒攻撃が可能


ランニングトード

水中を捨て、陸上に特化。


ダイバートード

潜水能力がアップ。


う~ん。

いつもこの瞬間は悩んじゃうね。

最初の進化は大切だと思う。今後の方向性を左右するからね。

まず、ランニングトードは無い。

せっかくの水中能力を捨てたくない。

次にラージシートードも無しかな。

巨大なカエルを連れて歩くのもね。

フカフカのガウと違ってヌメヌメしそうだし、抱き心地は悪そうだ。


よし、

「ポイズンシートードだ。」


『ゲコ

 ポイズンシートード


 HP  13/13 +4

 MP  12/12 +4

 力 10 +3

 丈夫さ 9 +3

 魔力 9 +4

 魔法抵抗力 9 +4

 素早さ 13 +4

 器用さ 13 +4


 スキル

 水泳 レベル2

 舌 レベル2

 毒攻撃 レベル1』


おっ、なんか、無難に成長してる。

見た目は緑の体に赤いラインが2つ入った。

確かに毒っぽい。



その後も変わりなく狩りは進んでいく。

なにせ、ゲコは横で魔石を食べてるだけだからね。

そして、日没前には終了して帰宅した。



ゲコを見て、みんな驚いていたよ。


マユラ

「またモンスター増やしたの!」


アイラ

「次はカエルタイプか。

かなり変わったところを突いてきたな。」


リィズ

「ゲコちゃんって言うんですね♪」


フィオ

「かわいいです♪」


リィズとフィオには好評のようだ。

良かった。良かった。


満腹亭の2階で適当に休ませる。



翌朝。

今日は忙しい。

夜にはデラーノさんを招いてのドラゴン肉の食べ比べを行う予定だ。

そして午前中にはベルフォームの海で狩りまくった魚介類やドロップアイテムを整理したい。この中からパエルモ伯爵のパーティーに使う食材を決めよう。

後、テイムモンスターを増やしたからロイズさんのところにも連れて行かないと。


そんなこんなで朝からバタバタしていたら、またもやゲコが進化を迎えた。


「早いな~。

我が家はどれだけ魔石があるんだ?」


進化先は3つ。


ジャイアントポイズンシートード

恒例の巨大化


アサシントード

即死系の攻撃を取得


ポイズンマーマン

水中能力を強化


この3択はけっこう即決でした。

なにせ名前がカッコいいからね。

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