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デラーノ

「ほう、

パエルモ伯爵のパーティーで料理を提供することになったのか。」


「そうなんです。

それで、デラーノさんにアドバイスをもらいたくて。」


デラーノ

「アドバイスね~、

正直、リィズとフィオの料理なら何を出しても問題は無いんだが、、、

わざわざ『満腹亭』に声をかけたということは、他では食べられない、『満腹亭』らしい一品を期待しているんじゃないか。」


「なるほど。

『満腹亭』らしさか。」


デラーノ

「それと、色々な料理を少しずつ食べるのが立食パーティーだ。

刺激が強過ぎると他の料理の味がわからなくなるし、

あまりボリュームが大き過ぎるとそれだけでお腹いっぱいになる。

それからパーティー料理だから、ガツガツ食べる訳じゃない。ゆっくり落ち着いて食べるんだ。時間の経過に弱い料理は不向きだな。」


「そう考えると王道のローストビーフは全ての条件を満たす訳ですね。ローストビーフは決まりかな。」


デラーノ

「そうだな。

後はなんの肉でやるか、だな。

うちならローストワイバーンは定番だ。」


「そうなりますよね。

ワイバーンは避けますよ。

まだデラーノさんの料理と比較されるのは厳しいですから。

いくつかドラゴンの肉があるので、ローストビーフに合う肉を探してみようと思います。」


デラーノ

「なに!?

そんな何種類もドラゴンの肉があるのか!」


デラーノさんの勢いが凄いことになってる。


「え、ええ、あります。

レッドドラゴン、グリーンドラゴン、ブルードラゴン、ホワイトドラゴン、ブラックドラゴン、アースドラゴン、シールドドラゴン、グレイトドラゴン、そんなとこかな、、、」


デラーノ

「・・・凄まじいな、、、

レッドドラゴンは俺も調理したことがあるが、他は触ったこともねえよ。」


何故か一気に脱力するデラーノさん。


「今度、お肉の食べ比べをするんで、デラーノさんも来てくださいよ。

ぜひ、ご意見を聞かせてください。」


デラーノ

「ドラゴンの肉の食べ比べか、、、

信じがたいが一生に一度の経験になるだろうな。」


「使うお肉さえ決まれば、後はリィズとフィオが美味しく調理してくれるんで。」


デラーノ

「それはいいが、パーティーで出すのは2品なんだろ。もう1品はどうするんだ?」


「エビマヨにしようかと思ってます。」


デラーノ

「・・・なるほど。

海鮮系にする訳か。

内陸部のパエルモじゃ、そもそも新鮮な魚は食べられないからな。それを用意すれば十分喜ばれるだろうよ。ただ味付けには工夫は必要だぞ。濃過ぎれば魚介の繊細な味が消えるし、淡白過ぎればパンチに欠ける。」


「ありがとうございます。

なんか、見えてきました。」


僕らはデラーノさんのお店を後にした。




そのまま僕はベルフォームに向けて出発。

同行するのはドラ。

目当ては魚介類の獲得。

水中を自由に動けるのはドラだけなので仕方ない。

とりあえずは僕の夢幻行で距離を稼いで、途中でドラの背中で就寝。


翌日の昼前にはベルフォームに到着。

夢幻行で本気を出せば朝には到着していたと思う。


当然のごとく、街から離れた場所に着陸。

そこから歩いてベルフォームに入った。

1泊2日を考えているので、宿を取る。

前回泊まった宿を今回も確保出来た。

2日間あれば、十分な量が採れると思う。

パーティーで使うだけじゃなくて、日頃のお店でも使いたい。


さっそく海に突入。

結界を張ってるから服も着たままだし、濡れることもない。

どんどん海底に潜っていく。

色々な海鮮モンスターが選び放題。バンバン倒していく。

そしてドラが回収。

そんな単純作業を繰り返していく。

特に問題もなく、1日目終了。

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