日常へ

最後はみんなでダンジョンに入ることにした。移動しながら、出会ったモンスターは瀕死+マヒにしてリィズとフィオにトドメをさしてもらう。

少しでも強いモンスターを倒した方がレベルが上がりやすいから、どんどん進んでいく。

ハナが2人のサポートにつき、ガウ、リン、ドラは自由にモンスターを狩っている。


夕方にはレベル50を達成。


「区切りもいいし、そろそろパエルモに帰ろうか。」


リィズ・フィオ

「「はい。」」


リターンポイントを発動。

一瞬でパエルモに到着する。


アイラ・マユラ

「「お帰りなさい!」」


僕・リィズ・フィオ

「「「ただいま」」」


誰かが待っていてくれるっていいね。


マユラ

「リィズとフィオのレベルアップはどうだった?」


リィズ

「レベル50になりました。」


マユラ

「なっ!?

私より上じゃん!

私、護衛なんだけどな~。」


アイラ

「レベルは高くとも、戦闘職ではない。

護衛が必要なことには変わらない。」


フィオ

「これからも頼りにしてます。」


夜は5人で色々と話をしながら一緒に晩ごはんを食べた。

僕らがいない間のサンドイッチ営業も好評だったらしい。

5ウォンカという値段はサンドイッチとしては高いけど、それだけの価値はあるって思ってもらえたようだ。



翌日。

街を出る。

まだ試していない禁術を試そうと思う。

ここなら多少のことがあっても街には迷惑はかからないと思う。


まずは『夢幻行』。

移動魔法となってる。

やってみよう。


光に包まれて、空を飛ぶ魔法だ。

これなら結界を組み合わせれば、大人数で移動出来ると思う。

ただし、、、速い。速過ぎる。

地上付近を飛べば、その衝撃波で木々をなぎ倒してしまう。

十分に高度をとる必要がある。

ドラの飛行よりも格段に速い。

移動時間はかなり短縮出来そうだ。


次は『事象否定』。

回復魔法となってる。

適当なモンスターを捕まえて、瀕死+マヒにしてしまう。

事象否定を発動。

けっこうMPを消費する。

HPも状態異常も同時に完治している。

う~ん、、、

これだけだと凄さはよくわからない。

正直、回復魔法と治癒魔法を使った方がMP消費が少ない。

使うタイミングがわからないな。


残りは『地獄門』と『神滅』。

どちらも使うのに気が引ける。

言葉には出来ないけど、嫌な予感がする。

これは当面使用禁止にしておこう。


これで検証は終了かな。

『万華鏡』と『夢幻行』は使えそう。

これだけでも、わざわざダンジョンの奥まで行った意味があると思う。


次に行くのはベルフォームかな。

出来ればアカツキ王国まで行ってみたいけど、ベルフォームからどれぐらい遠いのかな?


まぁ、当面は平常運転。

毎日のお店を頑張ろう。

僕は雑用係だけど。


数日後。

お昼の営業を終えて片付けをしていた時。


明らかに『執事』な人がやって来た。

絵に描いたような執事だ。


マユラ

「すいません。

今日の営業は終了しました。」


執事?

「客ではございません。

私はパエルモ伯爵にお仕えするザバスと申します。

店主はいらっしゃいますかな?」


惜しい!

名前はセバスチャンであって欲しかった。


「僕です。」


ザバス

「パエルモ伯爵がお会いしたいと仰せです。

馬車にお乗りください。」


「えっ、今からですか?」


ザバス

「はい。今すぐです。」


あ~、どうしよう?

ガロッソさんにも相談出来ないよ。

でも相手は領主様だもんね。

たぶん拒否はまずいよね。


「わかりました。

こんな格好ですけど、大丈夫ですか?」


普通の服です。

なにせ、レジや皿洗いがメインだからね。


ザバス

「パエルモ伯爵は寛大な方です。

そのようなことは気にされません。」


寛大な人なら、急に呼び出さず待ってほしいよ。もちろん言えないけど。


「じゃあ行ってくるよ。

片付けよろしくね。」


僕はザバスさんが乗ってきた馬車に乗り込む。

あ~、何を言われるんだろう。

とりあえず、懐にセージさんから貰った短刀は忍ばせておく。

困った時は見せよう。

まぁ、執事さんが呼びに来るんだから、そこまで悪い話じゃないだろう。

悪い話なら兵士に連行されるだろうからね。

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