最深部へ

翌日。

僕は70階からスタート。

モンスターは無視。

僕が気配隠ぺいをすればまず気付かれない。

どうせ、倒したところで手に入れたアイテムは貴重品過ぎて売れないとかになってしまうだけだからね。


ただし、各階のボスは倒すしかないので倒していく。

ただ、ボス戦も戦闘と呼べるような内容じゃない。スプーンを伸ばして振り回せばすぐに勝負がつく。


初日で90階に到達した。

ボス宝箱を確保出来るのは嬉しいね。

20個も宝箱を開ければ、ほどほどに良い物が手に入る。

マジックバックも1つ追加出来た。



夜に宿屋に戻ると、

先に戻っていたリィズとフィオが疲れた表情で座っていた。


「大丈夫?

疲れてそうだけど。」


リィズ

「大丈夫です、、、

かなり疲れましたけど、、、」


フィオ

「慣れないことをすると、、、」


話を聞くと、20階付近で戦っていたらしい。モンスターチームがサポートするので、不意討ちや囲まれるというピンチはなかったけど、2対1の有利な状況ではあるが、ずっと戦い続けたらしい。

なかなかにスパルタだな。

ガウが指揮を行ったらしい。


ガウ

『まだまだだが、少しはマシになってきたぞ。』


「明日は街に出てリフレッシュしてよ。」


リィズ

「ありがとうございます。」


フィオ

「アキラ様も順調ですか?」


「なんとか90階まで来られたから、明日には100階に行けると思うよ。」


リィズ

「凄過ぎて、どれぐらい凄いのかわかりません。」


フィオ

「くれぐれもご無理だけはなさらないでくださいね。」


「大丈夫だよ。

強いモンスターは出てこないから。」


リィズ

「たぶん、

強くないと言えるのはアキラ様だけです。」


フィオ

「普通の冒険者はそもそもたどり着けません。」


そんなに心配することは何も無いんだけどな~。



そして翌日。

90階からスタート。

ずんずん進んでいく。

昼には100階に到達出来た。

100階をクリアしたら昼ごはんにしよう。


100階に到着すると、


『魔を究めんとする者よ。

 最後の試練だ。

 勝利してみせよ。

 さすれば禁断の叡智を与えよう。』


どこからともなく声がする。


魔を究める。

禁断の叡智。

これがヒントかな?

とにかく進んでみる。


地面が輝き、大きな魔法陣が現れる。

中心に闇が集まり、何かを形作る。

漆黒のローブを纏った骸骨。

目があるべき場所に空虚な穴。

その奥が怪しく輝く。


すると骸骨の前に大きな魔法陣が現れる。

魔法陣から、数多の闇の矢が放たれる。

僕は咄嗟に右に駆け、ギリギリのところで回避する。


やるな。

ノーモーションの魔法は回避が難しい。

次々に魔法陣が現れ、闇の矢が降り注ぐ。


僕はいきなり方向転換し、一気に距離を詰める。

骸骨が用意していた魔法を放つ。

この距離での回避は普通は難しい。


でも僕なら!

最低限の動きで闇の矢を避ける。

更に前に出る。

次の闇の矢が用意される。

近距離過ぎて回避することは出来ない。


大量の闇の矢がこちらを狙う。

でもここで逃げはしない。

迫り来る闇の矢をスプーンで薙ぎ払う。


もう遮るものは何も無い。

スプーンの射程圏内だ。

スプーンで闇の矢を薙ぎ払う。

骸骨の次の一手はまだだ。

スプーンを避けることは出来ない。

「もらった!!」


スプーンで骸骨を叩き切る。


骸骨

「ぐごごごごご、、、」


まだ骸骨は諦めない。

「ぐがぁぁぁ!!」


骸骨の前にいくつもの魔法陣が浮かび上がる。

大量の闇の矢を、放ってくる。

だけど、遅い

僕を止められない。

僕はスプーンですべてを薙ぎ払う。


もう骸骨は目前だ。

完全に倒すまで手を止めない。

スプーンによる攻撃で圧倒する。


すぐに骸骨は崩れさった。


「勝った!」


『なぜ魔法を使わない!

 なぜ魔法無しで勝ってしまう!

 魔法を究めし者を見定める試練を!

 どうしてくれる!』


謎の声に凄く非難される。

イメージしてたのと違うんだけど、、、

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