セージの短刀
ガロッソ
「ふ~、
丸くおさまって良かったな。」
ロイズ
「話の通じる方で助かりました。」
マヘリア
「アキラくんが拒否権って言い出した時はどうなるか、と思ったけど。
了承してもらえて良かったわ。」
僕
「今回の話し合いは成功って思っていいんですか?」
ガロッソ
「大成功だ。
拒否権を認めてもらった上に、その短刀まで頂いた。
想像を超える結果だ。」
僕
「この短刀ってどういう意味があるんですか?」
ロイズ
「セージ団長が後ろ楯についているぞ。
と対外的に示す物です。
他の貴族や騎士団から、何かしらの要求があった場合、その短刀を示せば、大概の要求ははねのけられます。」
ガロッソ
「第2騎士団団長よりも圧倒的に格上の貴族や、王族にはそこまでの効果はないが、それでもセージ団長が目をかけている人物とは認識される。
滅多に無いことだぞ。」
僕
「そうなんだ、、、
でも紋章ぐらい、簡単に偽造出来そうだけど、大丈夫なの?」
マヘリア
「貴族様の紋章を偽造することは重罪よ。
ほぼ間違いなく死罪になるわね。
失くしたり、盗まれて悪用されたりしても罪に問われる可能性があるから気をつけてね。」
なるほど。
そりゃ、簡単には偽造出来ないね。
バレたら即死亡。
盗まれて悪用されても、盗まれた人も罪に問われる可能性があるのか。。。
僕
「返していい?」
ガロッソ・ロイズ
「「ダメだ(ダメです)!!」」
2人から同時に言われてしまった。
ガロッソ
「大事に保管しておけ。」
ロイズ
「せっかく頂いた短刀を返すなんて言ったら、不敬罪に問われかねませんよ。」
返すのも罪なのね。。。
ガロッソ
「まぁ、これで一件落着だ。」
僕
「そうですね。
みなさん、有難うございました。」
こうして頼れる人がいる、
というのは幸せだな。
きっとガロッソさんもロイズさんも第2騎士団団長という大物に内心不安はあったと思う。でも僕のために同席してくれた。
元の世界だと僕をかばってくれるのは家族だけだと思う。
こういう仲間に恵まれて本当に良かった。
第2騎士団の一件が落ち着いて、
僕は平穏な毎日に戻った。
そして、今日から連休。
リィズとフィオを連れて旅行に出発だ。
『満腹亭』はアイラさんとマユラさんが店番。作り置きのサンドイッチを販売する。
ボゥもお留守番なので、ミルクもセットだ。
基本は週休1日だけど、時々1週間の休みを入れることにしている。
その間はサンドイッチ屋さんに変身。
ランチタイムにマジックバックに入れてあるサンドイッチを売るんだ。
店内は自由に座って食べてもらう。
セルフサービスを採用。
その連休を使って、リィズとフィオに色々な国の料理を食べて勉強してもらったり、その国独自の食材などを購入して帰るつもりだ。
初回の目的地はヒルギス。
アイラさんとマユラさんのレベルアップに使ったダンジョンがある街だ。
目的は2つ。
まずはリィズとフィオのレベルアップ。
レベル22だと何かあった時に不安なので、もう少し高くする。
レベル40は超えたいな。
もう1つは最深部の確認。
70階までしか行ってないので100階まで行ってみたい。スプーンみたいな便利アイテムがもらえると嬉しいな。
今回は北のタカート山脈をドラに飛び越えてもらう予定だ。ショートカット出来るから、たぶん1日で到着出来ると思う。
ドラが巨大化を使えるようになって移動が凄く楽になった。
これはとても助かっている。
今後の旅行もドラには期待している。
僕・リィズ・フィオ
「「「行ってきま~す。」」」
アイラ・マユラ
「「気をつけて(ね)。」」
まずはリィズとフィオをガウに乗せ走る。
街の近くで巨大化を使うとロイズさんから叱られるからね。
そして、ほどほどに離れてから巨大化。
一応、隠ぺい系の魔法を使う。
巨大化するとさすがに近くの人にはバレると思うけど、街からだと見えないはずだ。
後はドラの背中でのんびりするだけだ。
タカート山脈にはワイバーンなどのドラゴンモンスターがいるが、ドラに襲いかかってくることはない。ドラの方が格上のドラゴンだからかな。
簡単に山脈を越えられる。
ちなみに、ドラの背中には僕が結界を張るので寒さも気にならない。
快適だね。
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