騎士団団長
セージ
「安心してほしい。
強引なことをするつもりはない。
腹を割って話をしたいと思っただけだ。
警戒しなくても良い。」
ガロッソ
「ありがとうございます。
それでは、今回の訪問の目的を聞かせて頂けますか?」
セージ
「そうだな。
本題に入る前に1点確認したい。
アキラくん、
君は異世界人か?」
うっ、
どう答えるのが正解なんだろ?
素直に答える?
うそをついて誤魔化す?
僕が迷っていると、
ロイズ
「誠に申し訳ございません。
冒険者の出自や能力に関する質問には易々とお答えは出来ません。」
ありがとう、ロイズさん!
セージ
「まぁ、簡単には言えんか。
それなら、先にこちらから話そうか。
私は異世界人だ。
セージと呼ばれているが、
本名は市川誠治だ。」
僕
「えっ!?」
セージ
「私が部下に異世界人の探索を命じているのは、保護と戦力の獲得の両面ある。
君の場合は良い仲間に恵まれているから、保護の必要はないかもしれないがね。」
僕
「あの、確かに僕も異世界人です。
おっしゃる通り、ガロッソさんもロイズさんも良い人です。保護は必要ありません。」
セージ
「そうだな。
そこは否定しない。
お店も人気なようだし、十分な生活を送れるだろう。
だが、戦力の獲得も目的なのだよ。
君は多数の優秀な従魔を従えているようだね。」
僕
「優秀ですよ。
でも、、あの、、お店もあるので、騎士団には入るつもりはないです。」
セージ
「どの程度優秀なのか、見せてもらいたいんだが。」
トマーシュさんは優秀さを見せた方がいいって言ってたな。
この場にいるのはリン。
ちょいちょい、とリンを呼ぶ。
リンに耳打ちする。
リン
『オッケー。
じゃあ、やっちゃおうかな。』
セージ
「何を見せてくれるのかな?」
リン
『剣を捨てなさい。』
ガチャン、ガチャン、ガチャン
セージが後ろを振り返ると、3人の騎士が剣を捨てていた。
セージ
「『魅了』か。
この短時間に3人とも成功するとは、、、」
僕
「どうかな?」
セージ
「他の従魔も同程度の実力なのか?」
僕
「それぞれ個性があるから。
簡単に比較は出来ないけど、
みんな優秀だよ。」
セージ
「わかった。
すまないが、3人の魅了を解除してもらえないか?」
リンがこちらをチラッと見る。
僕は軽く頷く。
騎士たちは正気を取り戻し、落とした剣を慌てて拾う。
セージ
「凄まじい戦力だ。
是非、騎士団に入ってもらいたい。
考えてもらえないだろうか!」
僕
「す、すいません。
ぼ、僕にはお店があるので騎士団には入れません。」
僕は頭を下げる。
セージ
「う~ん、、、
そうだな。
それなら、バレティアに危機が迫った時には手を貸してほしい。
もちろん、こちらから攻める時に手を貸せとは言わん。
ただバレティアが陥落することはあってはならない。その時だけ力を貸してほしい。
バレティアが陥落すれば、次はパエルモだ。パエルモを守る為と思ってほしい。
どうだろう。」
確かにドバン帝国が攻めてきた時、バレティアが落ちれば、次はパエルモだ。
パエルモは守りたい。
僕
「わかりました。
でも、拒否権は持たせてもらいます。
なんでもかんでも危機と言われたら困るので。」
セージ
「十分だ。
アキラくんの判断を尊重する。
これを受け取ってほしい。」
セージさんは懐から短刀を取り出した。
僕
「これはなんですか?」
セージ
「これは私の紋章が入った短刀だ。
私と協力関係にある証になる。
リズムリア王国内で困ったことがあった時はその短刀を示しなさい。
ある程度の問題は解決できる。」
僕
「あ、ありがとう、ございます。」
セージ
「さてと、そろそろ失礼しよう。
また時間がある時に食べに行かせてもらうよ。」
僕
「いつでもお越しください。」
セージ
「ありがとう。
アキラくんもいつでもバレティアに遊びに来なさい、歓迎するよ。」
僕
「ありがとうございます。」
セージさんと騎士たちは帰っていった。
今回の話し合いは終了した。
結果はどうだったんだろう?
悪くないと思ってるんだけど。
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