困った時は
夜にガロッソさんに相談しに行った。
ガロッソ
「なるほどな。
トマーシュの言うことは間違っちゃいねぇな。」
僕
「じゃあ、打つ手無しですか?」
ガロッソ
「冒険者ギルドに頼んでみるか。」
僕
「冒険者ギルドですか?」
ガロッソ
「そうだ。
サブマスターと懇意なんだろ。
冒険者ギルドは国から独立した組織だ。
そこに対しては、一定の配慮はされる。
気休め程度かもしれんが、冒険者ギルドの庇護を得るのは無駄じゃないだろうな。」
僕
「僕の本来の所属は商人ギルドなんですけど。。。」
ガロッソ
「お前がAランクやBランクの商人なら、商人ギルドに頼るんだが、アキラはDランクだろ。ギルドは守ってくれん。
その点、冒険者ギルドは身内意識が強いし、すぐに命に関わる事態になるからな。
権力者に対しても、けっこう毅然とした態度を取るんだ。」
僕
「わかりました。
明日、冒険者ギルドに行ってみます。」
ガロッソ
「だが、あくまでも気休めだ。
騎士団から正式な出頭要請があれば従うしかない。そこんところは理解しとけよ。」
僕
「わかりました。」
・
・
・
ロイズ
「それで私のところに来た訳ですね。」
僕
「はい。」
ロイズ
「ふー、
なかなか厄介な状況ですね、、、
わかりました。
私がコーラル商会のガロッソ氏の護衛依頼を受けてアキラさんを派遣している、
ということにしましょう。
護衛任務中を理由に多少の抵抗は出来るでしょう。」
僕
「多少、ですか。」
ロイズ
「多少、です。
騎士団の権限は大きいのですよ。
ちゃんと段取りを踏んで、正式に出頭要請されれば、断る術はありません。
ただ、仕官するかどうかは断れます。
そこを強制しても戦力になりませんからね。」
僕
「なるほど。
ロイズさん、詳しいですね。」
ロイズ
「冒険者をやってレベルを上げて、
騎士団への入団を目指す、
というのは常套手段ですからね。
それにモンスターの大量発生等では騎士団と共闘する場合もあります。
冒険者ギルドと騎士団はほどほどに付き合いはあるんですよ。」
そのまま、平穏な日々を数日過ごしていた。
ある日、4人組の男たちが来店した。
明らかに雰囲気が違う。
今日のメインはミラノ風カツレツ。
ワイバーンの肉で作った薄いカツレツにトマトソースがかかっている。
サクサクでいくらでも食べられる逸品だ。
男
「失礼。
君が店主のアキラ氏かな?」
僕
「は、はい、そうですが、、、」
男
「突然すまない。
私はリズムリア王国第2騎士団のセージという者だ。
少し君と話がしたいのだが。」
ええっ!?
いきなり団長来ちゃったよ!
どうしよう??
まずは落ちつこう!
そして考えろ!
僕
「あの、、、
ここではなんなので、
場所を移してもよろしいでしょうか。」
セージ
「ああ、
かまわん。
営業中のところを急に押し掛けたのだからね。」
セージさんは50歳手前ぐらいの白髪混じりのおじさんだ。
鍛え上げた肉体、鋭い眼光、言葉は丁寧だが圧迫感はある。
僕
「こちらへ。」
僕はコーラル商会に案内する。
その間にリンにロイズさんのところに飛んでもらった。
コーラル商会にはマヘリアさんがいた。
マヘリア
「どうしたの、アキラくん。」
僕
「応接室をお借り出来ませんか?
こちら騎士団の方たちでして。」
マヘリアさんの顔に緊張が走る。
マヘリア
「騎士様。
すぐに部屋を用意致します。
こちらへどうぞ。」
・
・
・
コーラル商会の応接室。
セージさんが座り、後ろに3人が立っている。椅子は人数分あるんだけどね。
対面するように僕が座り、その両サイドをガロッソさんとロイズさんが座る。
異様な緊張感がある。
セージ
「そちらの2人は?」
ガロッソ
「コーラル商会の会頭をしております、ガロッソと申します。
アキラには護衛をしてもらっています。」
ロイズ
「冒険者ギルド、パエルモ支部のサブマスターをしております、ロイズと申します。
アキラさんは私のサポーターとして登録されています。」
セージ
「なるほど、、、よく考えたな。」
セージさんがニヤリと笑った。
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