生活再建

翌朝

僕、ガウ、ドラ、ハナ、ボゥはリヤカーを引きながら、ウィリアムさん一家とニコラスさん一家と合流した。


2家族をリヤカーに乗せて出発。

全員体も洗って新しい服を着ている。


子どもたちはモンスターに興味津々だ。

ガウはカッコいいし、ドラはかわいいと評判だ。ボゥはほぼ牛だし、ハナは人間っぽいのでリアクションは薄かった。

大人たちは最初は怖がっていたけど、みんなが僕の指示に従うから安心したみたいだ。


リヤカーをしばらく走らせると、

焼けて廃墟となった農村があった。

村と言っても本当に小さな規模だけどね。


ウィリアム

「ここが我々の住んでいた村です。

そして、あの焼け残りが家でした。」


焼けて黒くなった柱だけが残っていた。


「どこが畑になるんですか?」


ウィリアム

「あの辺りが私たち。

その隣がニコラスの畑です。」


「なるほど。

家はどうするんですか?」


ウィリアム

「古い家はこの状態ですからね。

完全に撤去して、あの林から木材を伐って建てますよ。」


「わかりました。

今日はうちのモンスターたちが手伝います。みんなパワフルだから安心して。」


ウィリアム

「宜しくお願いします。」


「じゃあ、

ガウとドラは木材を伐って持って来て。

ボゥは家屋の跡をきれいにして。

ハナは畑の整備だ。」


モンスターたちが散って行く。

ちなみにリンはお店の手伝いで街に残っている。


ウィリアム

「我々もテントの準備が終わり次第、作業を始めます。」


ウィリアムさん、ニコラスさんたちはテントの準備を始めた。


僕はハナと一緒に畑の整備だ。

全て焼けてしまったけど、畑そのものが荒らされた訳じゃない。

僕とハナは地魔法で地面に干渉し、

まずはふんわりと柔らかくしていく。

次に畝を作っていく。

これも魔法で一発だ。


ハナの作業は速く進みそうなので、

ボゥを手伝う。

焼け焦げた木材などを外して、どけていく。

僕の力なら簡単に運べるからね。

そして、家の土台は平らに固くしないとね。

コンクリートとかは無いから、僕の魔法で固める。


そうこうしている間に、巨大化したドラが木材を持って来た。

木材と言うより、伐った木をそのまま運んできた感じだ。おそらくガウが木を切り倒しているんだろう。

枝とかも落としていない。

僕がスプーンでいらない枝を切り落としていく。

ドラはピストン輸送だ。


そして昼。

昼ごはんの時間だ。

その頃には、

丸太は山積みされ、

家の跡地は整地され、

畑はいつでも種をまける状態になっていた。


「今日は僕のお店の特製サンドイッチだ。

みんな遠慮せずに食べてね。

牛乳もあるよ。」


全員にサンドイッチと牛乳を配る。


シヴァ

「美味しい!?」


シエラ

「パンもお肉も美味しい!

こんなに美味しいサンドイッチ初めて!」


パトリック

「うま~~い!」


子どもたちも大喜びだ。


ウィリアム

「本当にありがとうございます。

何から何まで、、、

夢のようです。」


ニコラス

「普通はここまで作業をするには1週間はかかりますよ。

まさか今日の昼から種まきが出来るとは思いませんでした。」


野菜の種や種芋、苗などをイリーナさんが購入してくれていた。

さすがイリーナさん。

その代金は僕が渡したお金から支払われている。


「そうだ!

知り合いの大工さんに家のこと相談してみるよ。さすがに建ててもらうのはお金が凄くかかるから、どうすれば早く建てられるかの相談だけしてみるよ。」


ウィリアム

「それは有難いですけど、、、

我々は素人なのでプロの大工のようには出来ませんよ。」


「大丈夫。

参考にするだけだから。」



それからみんなで種まきを行った。


ニコラス

「土の質が異常に良いです。

焼かれる前よりも格段に良くなっています。

信じられない。」


なんやかんや言いつつ、種まきは完了。

上出来の滑り出しだと思う。

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