ウィリアム一家
ウィリアム
「家族と共に暮らせるなら、どんな仕事でも頑張ります。」
この世界の農家では珍しいらしい。
僕
「ちなみにウィリアムさんと同じように家族全員で働かせてほしいって知り合いはいますか?」
ウィリアム
「私の妻の妹一家も同じように家族全員で働ける場所を探しています。」
僕
「なんほどね。
ちなみに1家族でいくらくらいあればいいの?」
イリーナ
「そうですね。
ざっくりですが2万ウォンカぐらいでしょうか。」
僕
「それぐらいでいいんですか?」
イリーナ
「一般の農家からすれば大金です。
アキラさんは世間の相場をもう少し覚えてください。」
僕
「ハハハ、、、
徐々に覚えます。
じゃあ、10万ウォンカをイリーナさんに預けるんで、うまく契約をまとめてもらえませんか。」
イリーナ
「10万ウォンカですか、、、
ちょっと多過ぎますが、、、
まぁ、わかりました。
ウィリアムさん。
妹さん一家の代表を連れてきて頂けませんか。」
ウィリアム
「わかりました。
すぐに呼んできます。」
イリーナ
「アキラさんは夕方に顔を出してもらえますか。それまでに色々とまとめておきます。」
僕
「ありがとうございます。」
そして、夕方。
コーラル商会に行くと沢山いた。
みんなボロボロの身なりだ。
ウィリアムさん
妻のシヴァさん
長男のパトリック君
次男のロナルド君
ニコラスさん
妻のシエラ(シヴァさんの妹)
長女のクララちゃん
次女のイリスちゃん
イリーナ
「みなさんの雇い主になるアキラさんです。」
僕
「こんばんは」
ウィリアム
「ありがとうございます!
本当にありがとうございます!」
全員が頭を下げてくる。
僕
「き、気にしないでください。
僕も美味しい野菜が欲しいだけなので。」
圧が強い。それだけ必死なのかな。
イリーナ
「家も畑も焼かれた状態ですので、
当面はテント暮らしで農作業を行ってもらいます。テントはコーラル商会の行商用のものをお貸しします。
生活費はアキラさんからお預かりしているお金から使用してください。
農作物が出来ましたら、アキラさんのお店に納めてもらいます。
その販売価格の5%を返済に充てて頂きます。よろしいですね。」
僕
「家はどうするの?」
イリーナ
「農閑期に自分たちで木を切って建てます。
完成するまではテントをお貸しします。
田舎ではそういうものですよ。
それと、この条件はかなり破格です。
テントの貸し出しなんて普通はありませんからね。」
僕
「ありがとうございます。
それじゃあ、僕も最初、少しお手伝いします。農業系のスキルも持ってるし。」
ウィリアム
「そ、そんな!
申し訳ないですよ。」
ニコラス
「これ以上の恩義は返せませんよ!」
僕
「僕が早く美味しい野菜が欲しいだけなので、気にしないでください。
それに、素人だから、それほど戦力になるとも思えないし。」
一同
「「「「ありがとうございます!」」」」
僕
「それと、イリーナさん。
彼ら全員に服をプレゼントしてあげて。
これは借金とは関係無し。」
イリーナ
「承知しました。」
ウィリアム
「やり過ぎです!
これ以上は!」
僕
「うちは飲食店だからね。
きれいな身なりで納品してもらいたいんだ。
服も焼けて、持ってないんでしょ。」
ニコラス
「あ、ありがとうございます!」
ニコラスさん、泣いてるよ。
ちょっとオーバー過ぎない。
イリーナ
「通常、農村では、ほとんど新しい服を買うことはありません。
1着の服を修繕しながら、ずっと着続けるものなんです。
平常時でも家族全員が新しい服を着るなんてことはないんですよ。」
なかなか厳しい生活みたい。
僕
「じゃあ、明日、家と畑の場所まで案内してください。」
ウィリアム
「わかりました。
本当にありがとうございます!」
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