ロイズの焦り

僕はメイスを軽く振り回す。


「うん。しっくりくるね。」


続けてマジックバックから適当な盾を出す。

ダンジョンで手に入れたけど、重過ぎ・大き過ぎてマユラさんが使えなかった盾だ。


それを思い切り叩く。


ガーン!!


メイスはびくともしない。

盾はへこんでいた。


「よし、頑丈だ!」


メリル

「ちょっと待って!

その大盾、アダマンタイト製よね。

その大きさ、凄まじい高級品よ!

それを試し打ちに使わないで!?」


「いや~、ちょっと大き過ぎて使いにくいから死蔵してたんだよね。

そう言えば、これをバラして盾や鎧を作ったらいいんじゃないですか?

買い取ってもらえます?

傷ありなんで格安でいいですよ。」


ガンズ

「アダマンタイトは貴重品だからな。

是非買い取らせてくれ。

他にも稀少金属を持っていたら売ってくれんか?」


「いくつかインゴットがあるんで適当に買い取ってもらえますか?」


僕はダンジョンで手に入れたインゴットをいくつか出す。イリーナさんに販売を自粛させられた品だ。ガンズさんならいいでしょ。


3人

「「「・・・・・・」」」


3人の沈黙を無視して出し続ける。


メリル

「ス、ストップしてください!!

その量は確実に買い取れません!!」


「あ、そうなの。

じゃあ、今出したインゴットから買い取れる物を適当に選んでください。」


ガンズさんとメリルさんがどんどん物色していく。ミトンさんはアワアワしながらインゴットを眺めている。


ガンズ

「価値観がおかしくなりそうだ。。。」


メリル

「これ、、、オリハルコン、、、

こんな大きなオリハルコン、

公開したら世界的なニュースですよ。」


ガンズ

「メリル、どこまでお金を用意出来るか計算してくれ。」


メリル

「わかりました。

少しお時間をください。」


ガンズさんとメリルさんがわちゃわちゃして、結局、数本のインゴットを購入してくれた。

えげつない額の支払いをしてくれた。


ガンズ

「すまんな。

今はこれが限界だ。

また金が貯まったら、買わせてくれ。」


「全然いいですよ。

またそのうち持ってきますよ。」


ガンズ

「おう、いつでも遊びに来い。」


3人に見送られてガンズさんの工房を後にした。

その後、フルトの市場を見て回り、色々とショッピング。

前に泊まった宿が取れたので、そこにしました。



翌朝、フルトを出発。

朝にはパエルモに到着。

この移動速度!

もう、ゆっくりの牛車はしんどいかも。


パエルモに帰ったら、ゲイツさんのお店を訪問。

もう少しでお店が出来上がる予定なので、大工のゲイツさんと打ち合わせ。

家具などの搬入、設置も全部やってくれる。

1週間後には入居出来る。

入居と同時にリィズ、フィオ、アイラさん、マユラさんとも同居スタートする。それから、一気に開店に向けた準備もしないとね。

忙しくなりそうだ。


そんなことを考えていると、白雲亭にロイズさんがやってきた。


ロイズ

「すいません、突然。」


「大丈夫ですよ。どうしたんですか?」


ロイズ

「実はつい先日、街のすぐそばで大型のドラゴンの目撃情報がありまして、、、」


えっ!? もしかして、、、


ロイズ

「情報を集めた限り、ワイバーンでも、レッドドラゴンでもありません。

正体不明のドラゴンともなれば最大限の備えが必要です。

出来ればアキラ君にはしばらく街にいてもらいたいんです。

遠くに飛び去ったとの情報もありますが、安全が確認されるまででいいので。」


「あ、、え、、その、、

たぶん安全ですよ?」


ロイズさんの眼がキラリと輝く。


ロイズ

「何かご存知ですね。

詳しくお聞かせ頂けますか。」


「たぶん、、、

目撃されたのはドラなんで、、、」


ロイズ

「ドラと言えば、アキラ君のモンスターですよね。

確かにドラゴンタイプですがサイズが全然違います。」


「巨大化ってスキルがありまして、、、」

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