驚異のスプーン
僕
「スキルの付与ですか?」
ガンズ
「そうだ。
武器、防具、アクセサリー。
攻撃力や強度意外にスキルや特殊効果が付与されていたりするだろ。
それをするんだ。
普通は作る時にやるが、後から付けるのも可能だ。」
僕
「凄い!
どうやるんですか?」
ガンズ
「基本は魔法紙だな。
付与したい効果を魔法の紙に落とし込んで、それを武器や防具に転写する。
メリルが魔法紙作成のスペシャリストだ。」
メリルさんはこの工房の副棟梁。
きれいなエルフの女性だ。
ガンズ
「よし、メリルの部屋に行くか。」
と言うことでメリルさんの部屋に移動。
コンコンコン
ガンズ
「メリル、入っていいか。」
メリル
「どうぞ。」
部屋に入るとメリルさんが座っていた。
机の上には雑多な物が置かれている。
何かの作業中だったみたい。
メリル
「あら、アキラさん。」
僕
「どうも。」
ガンズ
「アキラのメイスが傷だらけでな。
修理と同時に強度上昇の効果を付与したいんだ。」
メリル
「・・・なるほど。
メイスを拝見してもよろしいですか。」
僕はメイスを差し出す。
メリルさんがメイスを手に取り、じっくり見る。
メリル
「ありがとうございます。
付与は1つが限界ですね。
より高いレベルの強度上昇を付けるなら、特別に魔法紙を作る必要がありますね。」
ガンズ
「出来るか?」
メリル
「素材が足りません。
かなりの硬度のある素材を用意しないと意味がないですからね。」
ガンズ
「アキラ、なんか硬いモンスターの素材持ってるか?」
僕
「ダンジョンで倒したモンスターの素材なら多少あるよ。」
メリル
「防御特化タイプのモンスターが好ましいですね。」
僕
「わかりました。
ええっと、、、
あっ、いいのがありますよ。
ここじゃ出せないんで、外に行きますか。」
ガンズ
「またドラゴンじゃねぇだろうな。」
僕
「大丈夫です。
亀みたいなモンスターです。」
メリル
「亀の甲羅なら最適よ。」
そして、街の外。
僕は亀の死体を出した。
ガンズ
「デカイな。。。」
メリル
「大き過ぎますね。。。」
ミトン
「見たことない。。。」
サーカスのテントぐらいの大きさかな。
100人乗っても大丈夫、な大きさだ。
僕
「ギガントアダマンタートルってモンスターです。」
ガンズ
「名前から推測するに、アダマンタートルの上位種だろうな。」
メリル
「魔法紙の作成に使うのは、この1ブロック程度で十分です。
ですが、どうやって取り出しましょう。
硬過ぎて、普通の工具では無理ですよ。」
どうやら小盾ぐらいのサイズでいいらしい。
僕
「じゃあ、切り取りますんで、少し離れていてくださいね。」
僕は亀の甲羅に飛び乗り、スプーンを取り出す。
スプーンを巨大化させシャベルのように、
ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!
6回スプーンを差し込んで必要な量を切り取った。
3人
「「「・・・」」」
ガンズ
「なんだ今のスプーンは!?」
メリル
「あり得ないほどスムーズに甲羅を切ってましたよ!?」
ミトン
「理解が追いつかないです~~。」
僕
「えっと、、、
今のは見なかったことに、、、」
ガンズ
「深入りしちゃあまずいレベルの代物なんだろうな。
鑑定だけさせてくれんか。」
僕
「いいですよ。」
ガンズ
「・・・・・・」
メリル
「どうされたんですか?」
ガンズさんが無言のままスプーンをメリルさんに差し出す。
メリル
「・・・・・・」
ミトン
「お二人ともどうしたんですか?」
ガンズ
「まったく鑑定出来んのだ。」
メリル
「こんなことは初めてです。
完全に鑑定が拒絶されました。
素材もまったくわかりません。」
僕
「このスプーンは気にしないで。
さっそくこれを使って魔法紙を作ろうよ。」
ガンズ
「そうだな。
考えても仕方ないんだろうな。
気持ちを切り替えよう。」
メリル
「そうですね。
ギガントアダマンタートルの甲羅。
扱ったことのない超一級品です。
最高のスキルを引き出してみせましょう。」
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