大人の飲み会
この世界には、
『飲酒は二十歳になってから。』
というような考え方はない。
ざっくりだけど、
自分で稼げるようになったら飲んでいい、
という感じみたい。
後で聞いたけど、地方出身の冒険者が酒に溺れて失敗する例は多いらしい。田舎の農村では酒は貴重品。滅多に飲むことはない。
それが都会に出てきて、冒険者を始めて、ようやくお酒を飲む余裕が出た時に、お酒にはまってしまって、装備の更新用のお金まで全部酒代に消えてしまう冒険者は少なくないらしい。
まぁ、僕の資産はかなりあるからね。
多少飲んだぐらいではびくともしないけどね。
今日飲みに行くお店は『ホワイトムーン』。
まあまあ高級なお店らしい。
少なくともDランク冒険者には手が出せない値段のようだ。ある程度の商人たちも利用する、落ち着いたお店らしい。
基本的に冒険者は安い店で安い酒と安い肉を騒ぎながら飲み食いするのが常だが、ここはそういう雰囲気ではないらしい。
僕はモンスターたちを宿に残し、単身、『ホワイトムーン』に向かった。
落ち着いたシックな雰囲気の店構え。
お店に入ると店員さんがやって来た。
店員さん
「いらっしゃいませ。
ご予約ですか?」
僕
「えっと、、、
予約じゃないです。
あの、翼竜の一刺のみなさんはいらっしゃいますか?」
店員
「翼竜の一刺のみなさんはもう飲んでますよ。あの方たちに目をかけてもらえるとは、お客様も有望株の冒険者ですか?
こちらへどうぞ。」
僕
「全然そんなことないですよ。」
案内についていくと、5人のおじさんが飲んでいた。
ディオン
「アキラ君、よく来たな。
酒は飲めないんだったよな。
ジュースでいいか?」
僕
「はい。」
ディオン
「ここは飯も旨いからな。
腹いっぱい食ってくれ。
今日は俺たちのおごりだ。」
僕
「いいんですか?
僕も報酬もらったんでお金はありますよ。」
ディオン
「心配するな。
若者におごるのはおっさんの娯楽だ。」
僕
「ありがとうございます。」
そこからは飲みながら他愛ない話をした。
ディオン
「それだけの実力があれば、冒険者としてかなり稼げるぞ。どうしてやらないんだ?」
僕
「これから飲食店を開く予定なんです。
もう少しでオープンなんで、是非食べに来てください。大通り沿いです。」
ディオン
「そうなのか。
なんて名前の店だ?」
僕
「『満腹亭』です。」
ディオン
「ハハハ。
そのまんまだな。
わかった。
オープンしたら食べに行くよ。」
メンバー
「どういう飯屋なんだ?」
僕
「基本は昼ごはん中心の定食屋です。
今、シェフはデラーノさんのところで修行させてもらってます。」
メンバー
「リストランテデラーノか!
高級店だな!
あんなところで修行した定食屋なんて楽しみじゃないか。」
とか、
メンバー
「そう言えばアキラは直接戦闘はしないのか?今回は戦っているところを見なかったけど。」
僕
「やりますよ。
ほら、武器も持ってるでしょ。」
メンバー
「傷だらけのメイスだな。」
メイスをディオンさんに渡す。
ディオン
「重!?
これ、、、アダマンタイトか!?」
メンバー
「俺にも見せてくれよ。」
メンバー
「すげえ、重さが半端ねぇな。」
ディオン
「しっかし、何と戦えばアダマンタイトのメイスにこんなに傷がいくんだ?」
僕
「ダンジョンでね。
けっこう強かったよ。」
ディオン
「ちゃんと修理しとけよ。
いざという時に壊れたら困るだろ。」
メンバー
「でもパエルモじゃ、修理は無理だな。」
メンバー
「アダマンタイトを加工出来るのは相当の腕が必要だからな。」
う~ん。
ガンズさんの工房に持っていこうかな。
大切なメイスだし。
ちゃんと修理してもらいたい。
空飛ぶこたつも手に入ったし、空を飛んで移動すれば速いだろうし。
フルトにどれくらいで行けるかな?
そんなことを考えているとロイズさんが到着した。
ロイズ
「すいません。
遅くなりました。」
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