フレイムアントクイーン

「いやだぁぁぁぁ!!!

だずげでぇぇぇぇ、、、」


コリンズが泣きながら叫ぶ。


近くにいるのはゲイルとウィッツ。

しかし、2人とも戦意を喪失して立ち上がることすら出来ない。


ディオンさんたちは助ける気がない。

下手に動いて隊列を乱せば、自分たちに危険が及ぶ。愚か者の為にパーティーを危険に晒すようなことはしない。

ロイズさんも同じだ。

やはりベテラン勢は割り切りも出来ている。


・・・でも、


コリンズ

「あああぁぁぁぁぁ、、、

死にだぐないぃぃぃ、、、」


あと少しでコリンズのHP は失くなる。

HPが失くなれば、血が噴き出すのかな?

体が燃えるのかも、、、


見たくはないな。

助ける力はある。


助ける理由は、

死ぬところは見たくない、

それで十分か。


「ガウ、助けて。」


ガウ

『わかった。』


ガウは次の瞬間にはコリンズの傍らにいた。

フレイムアントたちを蹴散らす。


コリンズ

「あ、あ、あ、、、」


ディオン

「アキラ君、もう終わらせよう。

我々が突撃する。

周辺のフレイムアントを牽制してくれ。」


「わかりました。

ドラ、よろしくね。」


ドラ

『任せとけ!』


ドラが周囲に雷を撒き散らす。

フレイムアントたちは感電し倒れていく。

・・・ちょっとやり過ぎかな。


ディオン

「・・・ふ、

ここまでの威力の雷魔法は初めて見たな。

よし、行くぞ!」


ディオンさんたち3人が突撃して行く。

後衛2人も続いていく。


進路上にいたフレイムアントは魔法で吹き飛ばす。


もう援軍は無い。

ディオンさんたちはフレイムアントクイーンの懐に飛び込む。

そして巨体に槍を突き刺す。

3本の槍が刺さってもクイーンは倒れない。


しかし、ディオンさんたちは焦らない。

ディオンさんたちは槍を引き抜き、何度も刺していく。

巨体が沈みこむ。

沈黙、、、


ディオン

「フレイムアントクイーンは倒した。

しかし、全てのフレイムアントが死んだ訳ではない。

帰路も警戒を解かずにいくぞ。」


帰り道、黄金の杯は本当にお荷物だった。

コリンズは襲われた時に失禁している。

臭い。

他の2人も脱け殻状態。

3人ともトボトボ歩くだけ。

遅いけどモンスターたちに背負わせるのは嫌。汚れそうだし。


来る時同様に翼竜の一刺が前を固め、僕とロイズさんが後方を警戒。

黄金の杯たちは真ん中をトボトボ歩くだけ。

遅い。

それでもフレイムアントの数が少ないし、ルートもわかっているからね。

なんとか巣を出た時には深夜になっていた。


巣の外には数組の冒険者が待機していた。


冒険者たち

「翼竜の一刺だ!」

「クイーンを倒されたんですか?」


ディオン

「クイーンは倒した。

しかし、フレイムアントの残党はいる。

警戒は続けてくれ。」


冒険者たち

「もちろんです。

時間まではしっかり守りますよ。」

「お疲れ様でした。」


僕たちは街まで戻った。

もう眠いよ。


ロイズ

「お疲れ様でした。

明日、ギルドに顔を出してください。

報告は私の方で済ませておきます。」


ディオン

「助かる。

午後には顔を出すよ。」


ロイズ

「お疲れのところ申し訳ございません。

宜しくお願い致します。」


「僕も行った方がいいですか?」


ロイズ

「お願いします。

急ぎませんので、ゆっくり休んでください。」


「もう眠いです。

早く寝たいです。」


ロイズ

「翼竜の一刺の皆さん、アキラ君、

本当にお疲れ様でした。」


みんなと別れて、宿屋の白雲亭に到着。

すぐに眠りました。




翌朝、と言うか昼。

ようやく目が覚めました。


昼ごはんを食べてから、冒険者ギルドを訪問。もう騒ぎはおさまっている感じ。


ディオン

「おや、アキラ君。

その君も今来たのかい?」


ディオンさんとギルドの入口付近で会いました。


「そうです。

ディオンさん、今日は1人ですか?」


ディオン

「あぁ、ただの手続きだけだからな。

他のメンバーは今日は休んでるよ。

俺もさっさと終わらせ休みたいね。」


僕らは冒険者ギルドに入った。

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