黄金の杯

ゲイル

「入口を塞いでいたバカに指導してやってたのさ。」


ゲイルの仲間

「ゲイルに指導してもらえるなんて幸せだな。」


ニヤニヤしながら僕を見てきた。


ゲイル

「まあな、へへへ、

ところでウィッツとコリンズ、

いくらで売れたんだ?」


ウィッツ

「800ウォンカだ。」


ゲイル

「なかなかだな。」



なんかしゃべり始めたから、ギルドの中に入っていく。


コリンズ

「そこのお前!

俺たち『黄金の杯』を無視するとはいい度胸だな。」


ウィッツ

「止めとけよ、コリンズ。

世間知らずはどこにでもいるもんさ。

ハッハッハッ。」

髪をかきあげるウィッツ。



こいつら嫌いだ。

元の世界にも、こういう連中がいた。

自分たちのことを勝ち組だと思っている。

そして、人を見下してくる。

僕に関わらないで欲しい。



そんなことを考えていると、ギルド内部から大きな声が聞こえてきた。


『Dランク以上の冒険者は翌朝南門に集合してください。依頼の内容とフレイムアントの特徴は貼り出しています。各自、確認をしておいてください。

繰り返します。・・・・』


なんか大変そう。。。

フレイムアント?

どうしたんだろう?



しばらくすると冒険者たちが徐々にギルドを出ていく。

でも職員さんたちは忙しそう。

どうしよ、、、


「おや、アキラさん!」


ロイズさん登場です。


「ロイズさん、お久しぶりです。

なんか忙しそうなんで出直しましょうか。」


ロイズ

「いや、かまいませんよ。

こちらへどうぞ。」


応接室に案内される。


ロイズ

「バタバタしていて申し訳ございません。」


「いえ、でも何かあったんですか?」


ロイズ

「大型のフレイムアントの巣が発見されまして、既に被害にあった村もあります。

早急に対処が必要です。」


「フレイムアントってなんですか?」


ロイズ

「厄介なモンスターです。

単体ではEランクモンスターですが、集団になるとDランク相当。

更に巣の中ではCランク相当以上になります。

更に牙に炎属性があり、ダメージを受けた際に火傷の状態異常になることもあります。」


火傷は継続ダメージを負う嫌な状態異常だ。


ロイズ

「そして、フレイムアントの一番厄介な点は、この炎属性の牙によって火災が引き起こされることです。

襲われた村でも火災が起きて家屋や田畑が全焼してしまいました。モンスターの直接の被害よりも火災の被害の方が大きいぐらいです。」


「そうなんですね。」


ロイズ

「アキラさん、お願いがあります。」


「フレイムアントの殲滅ですか?」


ロイズ

「いえ、フレイムアント討伐のための戦力は集めています。アキラさんにはフレイムアントクイーン討伐のサポートをして頂きたいのです。

フレイムアントクイーンを倒さないとフレイムアントは増え続けます。ですがクイーンを倒す為には巣に突入しなければなりません。

突入するのはBランクパーティー『翼竜の一刺』が主力となります。ですが、巣の内部で『翼竜の一刺』をサポートする戦力が足りません。巣の内部で孤立してはいくら彼らでも危険過ぎます。」


「Bランクのパーティーでも危険なんですか?」


ロイズ

「通常の巣への突入はメインのBランクパーティー1つとCランクパーティー3つ程度は必要とされています。

ですが、現在手の空いているCランクパーティーがおりませんでした。戦力不足をどうするか、今ギルドマスターと翼竜の一刺のリーダーが打合せしております。

ですが、アキラさんの協力が頂ければ解決致します。

アキラさん及びモンスター5体、合計6人をBランク相当として、報酬を用意致します。

どうか、お受け頂けませんか。

お願い致します。」


う~ん

ロイズさんにはお世話になってるしな~。

断るのは悪いよな~。


「わかりました。

お受けします。」

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