夜に潜む者
翌朝。
30階からスタート。
ヒナタ
「今日はやたら体が動くんですけど?」
アドル
「補助魔法か?
ステータスが上がっているな。」
僕
「えっと、
僕が加入すると全ステータス+7になるからけっこう強くなると思うよ。」
バニング
「早く慣れる必要があるな。
強くなり過ぎている。」
僕
「追加の補助魔法もかければレベル10ぐらい上のモンスターとも戦えると思うよ。
どんどん下に行こうよ。」
毎日3階降りるペースで進んでいく。
5人の連携はかなり出来上がっている。
モンスターチームは周辺で奇襲されないようにモンスターの量を調整してくれている。
途中で見つけたのがモンスターハウス。
簡単に言うと、入るとわんさかモンスターが出てきて、倒すまで出られない。
僕からするとモンスターを大量に倒すチャンス。僕は地魔法で岩壁を生み出して、モンスターの来る方向を制限する。
さすがに、360度からモンスターに襲われると大変だからね。
3日で39階まで到達出来ました。
ここまで来ると冒険者もほぼいない。
ボスとの戦いも体験出来た。
5人もレベル35前後に。
カーメルに来たときより、10ぐらいレベルアップ出来たよ。
僕からすると遅く感じるけど、バニングさん曰く、異常なハイペースらしい。
毎晩宿に戻って、夕食後に打合せするのを日課にしている。
そこでチームの連携を確認したりしている。
熱心だね。
その日の夜。
そろそろ寝ようかな、と思っていた時。
リン
『ねぇねぇ、なんか街中に気配消した人間がいっぱいいるよ~。』
僕も気配を探る。
探知系のスキルを持ってるからね。
確かにコソコソと気配を消して動いている集団がいる。
泥棒とかじゃない。
人数が多過ぎるし、雰囲気が異常だ。
すぐにバニングさんたちを起こす。
ロックさんが女子部屋を起こしに行く。
まだパジャマ姿のままだ。
バニング
「どういう状況だ。」
僕
「気配を消した連中が動いてる。
わかっただけでも40人はいたかな?」
バニング
「確かに異常だな。
人数が多過ぎる。
もしかしたらカーメルの首長が狙われているのかもしれん。」
イリーナ
「ドバン帝国でしょうか。
他にそれほどの人数を用意出来る勢力は考えられません。」
アドル
「どうする?」
バニング
「いつでもヒナタのスキルで逃げられるようにしておこう。
最悪、街が封鎖される可能性もあるからな。」
イリーナ
「襲撃が成功するとどうなるかわかりません。最悪を想定して行動しましょう。」
僕
「ダンジョンは?」
バニング
「入れなくなる可能性が高いだろうな。」
僕
「それは困るよ。」
イリーナ
「仕方ないですね。襲撃が成功しても失敗してもダンジョンが閉鎖される可能性が高いでしょう。」
僕
「ちょっと様子を見てきます。
僕ならだいたいのことは対応出来ますから。」
バニング
「無理はするなよ。
それと身元がバレないように気をつけるんだ。」
僕
「わかりました。
モンスターチームは残していくから、リターンポイント使う時は一緒に連れて行ってください。」
僕はみんなを残して宿を出る。
服装はパジャマのまま。
顔は布で目以外は隠している。
マジックバックを背負い、メイスを持っていく。スプーンは目立ち過ぎるから隠し持つ。
首長の屋敷は襲撃されていた。
門の前には殺された守衛の死体が2体転がっている。
僕は気配を消したまま中に入っていく。
屋敷の中にはいくつもの戦闘の痕跡。
遠くに赤ん坊の泣き声が聞こえる。
3階かな?
とりあえず3階を目指す。
主戦場は2階と3階をつなぐ階段。
3階を守る護衛。
高低差と狭さを活かして守りを固めている。
襲撃者たちも攻めあぐね、
襲撃者たちにも被害が出ている。
このまま守り続けて援軍を待つ戦略なのかな。
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