最高の武器

「決めた後に変更は出来るの?」


『それは出来ない。』


1度きりの選択か。

慎重に選ばないと、、、


更に悩む僕に、


『とりあえず光に触れてみよ。

 光に触れると、

 選択可能なスキルも確認できる。』


なるほど。

確かにせっかく考えたのに選択不能だと困るよね。それに固定のスキルも確認したいよね。


光に触れてみる。


特に変化は無い。

スキルが確認できた。

『全貫通』

全ての耐性系スキルを無視できる。


凄いね。

物理耐性、属性耐性、状態異常耐性、そういうスキルを全て無視できるなんて、かなりのアドバンテージだ。


他に欲しいのは、、、


「あっ! 神器って丈夫なの?」


『心配無用。

 この世界で最も硬い存在の1つだ。』


じゃあ壊れることは心配しなくていいね。


決めた!


僕のイメージに光る玉が応える。

徐々に形を変えていく。

光がおさまると神器が僕の手の中にあった。


『・・・本当にそれで良いのか?』


「便利そうでしょ。」


僕の手に握られたスプーンを見て、謎の声が確認してきた。


神器『スプーン』

全貫通

伸縮自在 レベル10

清潔 レベル10

裂鋼 レベル10


サイズを自由に変えられる。

サッと振るだけでピカピカ。

硬いアイスもサッとすくえる。


理想のスプーンが出来上がった。

しかも、このスプーンを持っているだけで全ての攻撃に全貫通は効果を発揮する。

魔法にも適用される。

しかも困った時は伸ばしてメイスのように叩くことも可能。しかも切れ味も抜群。



『本人がそれでいいなら、

 言うことはない。

 帰るがいい。』


地上に戻る転移陣が現れる。

「100階のボスはまた来たらいるの?」


『神器を与える為の試練だ。

 既に神器を持つ者の前には現れん。』


「そっか~。残念だな。

まぁ良いか。

そう言えば、他のダンジョンって何をくれるの?」


『教える訳にはいかない。

 答えを求めるなら攻略せよ。』


「いや、そこまでじゃないんで。」


『・・・もういいか?

 そろそろ帰ったらどうだ?』


「ありがとう。

そうするよ。

じゃ、失礼します。」


僕は転移陣に乗った。



その日の夜、宿にて。

「ついにダンジョンの一番深いところまで行って来たよ。」


ロック

「マジか!?

ダンジョンって何階まであるんだ?」


「100階で終わりだよ。」


ロック

「100階か~。俺には無理だな。

それで100階には何があったんだ?」


「100階は迷宮無しで特別なボスとの戦闘のみだよ。」


バニング

「100階のボスか。

強さが想像もつかないな。」


「けっこう強かったよ。

ほら、見てよ。」


傷ついたメイスを見せる。


イリーナ

「アダマンタイト製のメイスにこれ程の傷。

凄まじい攻撃力ですね。」


「お気に入りなのに、傷ついてショックだったよ。まぁ代わりに武器をくれたから、トントンかな。」


ロック

「100階のボスを倒して手に入れた武器。

凄まじい性能なんだろうな。

見せてくれよ。」


「いいよ。

はい、これ。」


僕はスプーンを出した。


一同

「「「へ?」」」


「凄いんだよ。ほら。」


僕はスプーンを1メートルぐらいに伸ばす。


一同

「「「おぉぉぉ!」」」


ロック

「すげぇ!」


「サイズ自由に変えられるし、

凄い硬いから壊れないらしいよ。」


バニング

「攻撃力はどうなんだ?」


僕はマジックバックから鉄の盾を取り出す。

そして、僕はスプーンを物理のスプーンサイズにして、鉄の盾の表面をすくう。

するとプリンをすくうように鉄の盾をすくってみせた。


バニング

「凄まじい切れ味だ。」


「たぶんミスリルでも同じ感じでいけると思うよ。」


ロック

「スプーンで鎧ごと抉られる。

嫌な殺られ方だな。」


「それに『清潔』ってスキルがついてて、振るだけでピカピカになるんだよ。

便利でしょ。」


ミレイ

「武器をなんだと思っているんだ、、、」


「明日からはみんなのレベルアップに同行するからよろしくね。」

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