カーメルダンジョン100階

やっぱり深く潜れば潜るほど良いアイテムが手に入る。

でも、さすがに僕でもわかる。

売れない。

世に出せない。

でもコレクター心はくすぐられるんだよな~


明日からボス周回プレイしようかな。

でも売れないからお金にはならないんだよな~。


そんなことを考えながら99階のボスを倒した。

99階のボスは、

『メカヤマタノオロチ改』

強かったよ。

なにせ、ヤマタノオロチがメカな上に改だからね。

まぁ倒せるけど。


そして100階に降りると今までと違っていた。ダンジョンの基本構造は一緒。

階段を降りるとセーフティゾーン。

迷宮。

そして迷宮を突破するとボス部屋。

ボスを倒すと階段にたどり着く。


なのに100階は階段降りてすぐにボス部屋みたいになっている。やっぱり区切りの100階は何かありそうだね。


『力を求めし者よ。

 最後の試練だ。

 勝利してみせよ。

 さすれば力を与えよう。』


なんか偉そうな声が聞こえてきた。


「別に力を求めてないけど?」


『・・・いいから戦ってくれ。』


「戦うよりも色々聞きたいんだけど。」


『・・・勝てたら質問に答えよう。』


じゃあ、戦ってみますか。

進んでいくと、地面に複雑な魔方陣が浮かび上がる。

そして闇が集まり形を作る。


2メートルぐらいかな。

真っ黒な全身鎧。

美しい剣。神々しい輝きを放っている。

なんかヤバそう。。。


全身鎧が急に動きだす。

と思った瞬間、目の前にいた。

速い!

もう剣を振りかぶっている。

上段から降り下ろされた剣をメイスで受け止める。


カーン!


重い一撃。

カーン!カーン!カーン!


連続で斬ってくる。

速いし、重いし、凄い連続攻撃。


「あっ!?」


まずい!

メイスに傷が入っている。

むちゃくちゃ硬いアダマンタイト製なのに。


こんな攻撃を受け続けたらメイスが壊れちゃう。このメイスは宝物だからね。


反撃開始。

鎧をメイスで叩く!

硬い!?


全身鎧の反撃。

斬撃をメイスで受け止める。

あ~、また傷が増えるよ。


全身鎧が反撃出来ないように連続で叩き続ける。叩く度に全身鎧がへこんでいく。

膝裏を痛打する。

全身鎧がバランスを崩して片膝をつく。

そんなチャンスを見逃す訳無いでしょ。


大きく振りかぶって、、、

フルスイング!


全身鎧の胸を打ち砕き、吹き飛ばす。

倒れたところに振り下ろす。


ついに全身鎧は動かなくなった。

全身鎧が消えていく。


・・・今までと違って宝箱が出てこない。

どういうこと?


『よくぞ勝利した。

 新たな英雄に神器を授けよう。

 求める姿を思い描いてみせよ。』


目の前に光る玉が浮かび上がる。


「えっと、、、神器って何?」


『神器を知らずにここまで来たのか!?』


「うん。

どれぐらい深いのかな~、って思って。

それで降りてきただけだよ。」


『・・・なるほど。

 あまりにも攻略者が出ずに、

 ダンジョンの目的が忘れ去られたのか。』


「ダンジョンの目的?」


『そうだ。

 ダンジョンは人に戦う為の力を与える。

 ここで力をつけ、

 モンスターに立ち向かう。

 そして、最深部を攻略した者には、

 限界を超えるための力が与えられる。

 与えられる力はダンジョンより異なる。

 ここは最強の武器の神器を与える。

 神器は攻略した者専用だ。

 その者が死ねば、消える。』


「ざっくり言うと、僕専用の神器っていう武器をくれるってこと?」


『その通りだ。

 神器には決まった形はない。

 剣、槍、斧。

 なんでも望んだ形になる。

 どんな武器にするかイメージして、

 光に触れよ。』



どうしよう?

今使っているメイスはかなり使い慣れてきたからね。やっぱりメイスかな。

でも、今のメイスに不満無いしな~。


僕が悩んでいると、

『神器には4つのスキルが付けられる。

 1つは固定だ。

 残りは所有者が好きに決められる。

 自分の好みに合わせられる。』


更にセールスポイントを追加説明してくれた。形もスキルも好きに出来る。

面白くなってきた!

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