バニング先生

翌日からバニングさんを先生に僕とヒナタさんが教えてもらうことになった。


バニング

「2人には冒険者の基本を学んでもらう。

2人は冒険者として生きていく訳ではないが、知っていて損はないはずだ。

2人とも旅をする機会は多いだろうからな。」


僕・ヒナタ

「「よろしくお願いします。」」


バニング

「まずは戦闘スタイルを考えよう。

私は長剣と盾。

ロックは大剣。

ミレイはショートソードの二刀流。

アドルは弓。サブウェポンにダガー。

各自、職業、ステータス、性格、チーム内での役割、それを考えて自分のスタイルを決めている。

ヒナタはバランスタイプのステータスだ。

そして、どちらかと言えば守られる側だ。

現在のショートソードのスタイルは機動力重視にあたる。重量が軽いため走って逃げるのに有効だが、防御の面に不安がある。

一度小盾を試してみないか?」


「小盾ってどういう盾ですか?」


バニング

「盾は大きく分けて3種類ある。

大盾、盾、小盾だ。

大盾は全身をカバーする大きな盾だ。

防御力は高いが重たく死角も多い。

使いこなすには技術が必要だ。

盾は上半身をカバーするサイズの盾だ。

大盾より扱いやすいが片手は埋まる。

小盾は更に小さい。

守る面は狭いが扱いやすさは一番だ。

ヒナタは剣術スキルを持っていない。

足りない防御力を小盾でカバーするイメージだ。」


ヒナタ

「やってみます。

でも小盾持ってないんですけど、、、」


「余ってる小盾があるから使ってみてよ。」


僕はマジックバックから以前にダンジョンで手に入れた小盾を出す。


バニング

「腕に装着するタイプか。

確かに使いやすそうだが小さ過ぎないか?」


ヒナタ

「いやいや、

その前にてんとう虫じゃないですか!?

これ盾なんですか?」


腕に固定するタイプ。

固定する用の革に手のひらぐらいの大きさのてんとう虫がとまっているデザイン。


「とりあえず装備してみてよ。」


ヒナタ

「こうですか?」


ヒナタさんが左腕に装備する。


「それで『展開』って言ってみて。」


ヒナタ

「『展開』 きゃっ!?」


ヒナタさんの腕にとまるてんとう虫が羽を広げる。その羽が盾になっている。


「なかなか良い感じでしょ。」


バニング

「性能的には文句のつけようがないな。」


ヒナタ

「目立ち過ぎません?」


バニング

「まぁ、、、そのなんだ、、、

とりあえずやってみよう。」


それから、

剣の使い方。

盾の使い方。

チームで戦う時のポジショニング。

連携のやり方。


戦い方だけじゃない。

モンスターの解体。

移動する時の注意点。

夜の見張りのやり方。

野盗への対応。


僕も一緒にいろいろ教えてもらいました。

以前にディーンさんに教えてもらったこともあったけど、あの時は半日だけだった。

今回はしっかり1週間学びました。


けっこうためになったと思う。

冒険者じゃないから、なかなか習う機会がなかったからね。

今じゃ、マジックバックとモンスターたちのおかげで苦労することはほとんど失くなったけど。



そして、あっという間に1週間が過ぎました。

ガンズ工房に向かった。


ガンズさんとメリルさんが待っていた。

ガンズ

「待っとったぞ。

用意出来ている。装備してみろ。」


バニングさんたち4人が奥に入っていく。

「カッコいい~~」

ヒナタ

「凄いです!似合ってます!」


真っ赤な装備に身を固めた4人が登場。


ガンズ

「ベースをレッドドラゴンの革で作っている。鱗を貼り付け、要所には骨を加工して使っている。

防御力も高いし、火耐性もある。

満足できる性能だと思うぞ。

それに武器も良い出来だ。

ミスリルよりも切れ味が良いし、硬い。

早々刃こぼれもせんだろう。」


バニング

「ありがとうございます。

本当に良い装備です。」


ミレイ

「装備に見合った実力になれるよう、精進します。」


ロック

「防御力は高いのに驚くほど動きやすい。最高です。」


アドル

「家宝にするような逸品だ。」


こうして、ガンズ工房でみんなの装備を更新出来た。

次はいよいよダンジョンだ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る