ベルン王国

翌朝、早速出発です。

ヘーデン王国の目的は済ました。

お皿はいっぱい買えたからね。


移動は日中はボゥ、夜間はガウに交代で引っ張ってくれている。

かなり速く移動出来ている。


「イリーナさん、ベルン王国のフルトって街は通りますか?」


イリーナ

「通りますよ。

フルトは武器や防具の製造が盛んな街です。

フルトでみなさんの装備を更新しようかと思っていたところです。

よくご存知でしたね。」


「以前に知り合った人がフルトで工房をやってるらしいんだ。

せっかくだし、寄ってみようかと思ってさ。」


イリーナ

「工房をされているんですか。

差し支えなければ、その方のお名前をお教え頂けますか?」


「ガンズさんって言うドワーフのおじいさんです。」


イリーナ

「ガンズさんですか!?

ガンズ工房と言えばフルトでもトップクラスの工房です。

ガンズさんご本人と懇意にされているなら、ガンズ工房に最初に行ってみましょう。」



それから数日後にようやく目的のフルトに到着。

ベルン王国はリズムリア王国程ではないが、ほどほどに大きい国だ。

その中でもフルトはものづくりが盛んな街として有名らしい。


街には昼過ぎに到着。

やはり宿屋にチェックインをして、その足でガンズ工房に向かった。

ガンズ工房は街の中心部の一等地にある大きなお店だった。

お店には武器や防具を仕入れに来た商人や冒険者たちが来ていた。


その中でも僕らは大人数の一団だ。

モンスターたちを引き連れているから目立つ。


「あれ!? アキラさんですか?」


この声は。

「ミトンさん。お久しぶりです。」


ミトン

「お久しぶりです。

本当にいらしてくださったんですね。

棟梁も喜ぶと思いますよ。

ちょっと待っててくださいね~。」


ミトンさんがお店の奥に入っていく。

周りの冒険者たちが、なんだコイツ?、って顔をしている。


しばらくして、奥の応接室に案内された。


ガンズ

「久しぶりだな。元気そうだな。」


ガンズさんとエルフの女性だ。

エルフ、初めて見たよ。

金髪に尖った耳の美女。

本当にイメージ通り。


「お久しぶりです。ガンズさんも元気そうで何よりです。」


エルフ

「棟梁をお助け頂きありがとうございました。副棟梁として御礼申し上げます。」


「いやいや、お気になさらずに。

もうお礼にメイスも頂いてますし。」


ガンズ

「メイスの調子はどうだ?」


「バッチリです。どんだけ殴っても壊れないんで。」


ガンズ

「アダマンタイトのメイスが簡単に壊れたら困るわ。

後でメンテナンスしといてやる。」


「ありがとうございます。

それとお店の商品を見せてもらっていいですか?」


ガンズ

「そりゃ、もちろんかまわんが、何を探しているんだ?」


「この後、カーメルのダンジョンでこっちの5人のレベル上げをするんです。

それで、その前に装備を整えようと思ってお店に来ました。」


ガンズ

「そうか。

う~ん、Cランクのパーティーか?

護衛中心って感じだろ。

それと、そっちのお嬢さんは素人だな。」


「見ただけでランクとか、護衛とか、わかるんですか?」


ガンズ

「ある程度ならな。

そっちの男はBかもしれんがな。」


バニング

「残念ながらCランクです。」


ガンズ

「沢山の冒険者を見てきたからな。

多少は見分けられる。

それで今のレベルは20代半ばから後半ぐらいだろ。

どれぐらいまで上げるつもりなんだ?」


「そうですね~。

最低でもレベル50は超えたいなって感じです。」


ガンズ

「なるほどな。

ならAランクを見据えた装備が必要だな。

かなり高額になるぞ。」


「みんなの予算はどうなの?」


ロック

「いやいや、さすがにAランクの装備を買うだけのお金はねぇよ。」


え~、せっかく盛り上がってたのに~。

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