ハナの進化

おはよ~。


朝だよ~。


進化だよ~。


昨日、ハナは『歩く実』に進化した。

僕らは夕食を食べて、眠った。


ハナは食べきれない魔石に埋もれた状態で眠りについた。


夜も食べ続けたんだろうね。

魔石は失くなっていた。

そして、いつもの進化アナウンス。


『ハナは進化出来ます。

 進化先を選んでください。』


『種

 なにかの種。』


えっと、、、

これは進化ですよね??

種ってどういうこと???


しかも1択。


もう選ぶしかない。


『ハナ

 種


 HP  4/4

 MP  4/4

 力 0 -2

 丈夫さ 5 +2

 魔力 0 -2

 魔法抵抗力 4 +2

 素早さ 0 -2

 器用さ 0 -2


 スキル

 発芽 レベル1』


ついにステータスが下がりました。

今まで成長しないな~とか言ってたけど。

初めて下がりました。


スキルも減りました。


と言うか、見た目はただの種。

そりゃ歩けないどころか、動けないんだから力も素早さも器用さも無い。


どうしよう?

見た目はただのヤシの実って感じ。


まったく動けないけど、魔石は吸収できるみたい。接した魔石を吸い込んでいく。



ここまで来たら、とことん付き合ってやるぞ!


どんどん山を登りながら、モンスターを倒していく。山を登るほどモンスターが強くなっていく。

麓ではワイバーン中心だったけど、レッドドラゴンが増えてきた。

レッドドラゴンはデカイ。

ワイバーンの倍ぐらいある。

火のブレスが使える。

大きな体の強敵だ。


まぁ、余裕で倒しますけどね。

ワイバーンより格段に大きな魔石。

レアドロップアイテムは振ると火の玉が飛び出す剣。

キャンプにこの1本があれば便利だね。


昼過ぎぐらいまで狩りを続けたけど、種になったハナは進化しなかった。かなりの魔石をあげたんだけどな~。

唯一の成長は魔石を食べるスピードが格段にアップしたこと。魔石を触れさせるとすぐに吸い込んでしまう。


夕方には街に戻って冒険者ギルドを訪問。

ロイズさんを訪ねた。


ロイズ

「今日はどうされました?」


「この子なんですけど、、、」


僕はハナをロイズさんに見せた。


ロイズ

「これは、、、

確かにモンスターですね。

初めて見ます、、、

テイムされているのは確認しました。

一応首輪は用意させておくよ。」


「ロイズさんでも初めてですか。」


ロイズ

「そもそもモンスターを5体も連れているテイマーも初めてですよ。

ですが、よく似た事例を知っていますよ。」


「本当ですか?」


ロイズ

「本当です。

虫タイプのモンスターの一部によく似たものがいます。

幼虫のようなモンスターが進化してサナギのようになるんです。

サナギの間は動けないので弱くなります。

しかし、次の進化で大きく成長します。

虫が成虫になるようなイメージだな。」


なるほど、

もしかしたら、ハナは『種』から進化する時に凄く強くなるのかもしれない。

慌てる必要は無いな。

ゆっくり発芽の時を待とう。


「ロイズさん、ありがとうございました。

進化するのをゆっくり待とうと思います。」


ロイズ

「進化したら連れて来てくださいね。

個人的にも興味があります。」


「わかりました。

必ず連れて来ますね。」



ハナをボゥの首からぶら下げる。

これからは手に入れた魔石は5等分してみんなで分けあおう。


前回のダンジョンでもみんな進化したしね。

今回のダンジョンにも期待しよう。

ハナを含めて、みんな進化しないかな。

楽しみだな~。


僕の準備は特にない。

後は出発まで街を散策かな~。

パエルモは広い。

知らない場所もまだまだあるからね。


・・・と言っても、

知らない場所が楽しい場所とは限らない、

ということを学びましたよ。


農村はどこまで行っても農村。

特に代わり映えしない。

もう十分かな、、、

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