タカート山脈で暇潰し

と言うことで出発しました。

僕とガウとボゥは駆け足。

リンとドラは飛んでいる。

一番遅いのはボゥだけど、リヤカーが無いからいつもよりはかなり速い。


あっという間にタカート山脈の麓に到着。


さぁ、始めようか!

というタイミングで奇妙なモンスターが近寄ってきた。

膝上ぐらいの大きさの歩く草。

つぼみが顔みたいになっている。

小人のようにチョコチョコ歩きながら近寄ってくる。

敵意は感じない。


これはテイムの予感?

どう見ても弱そうだけど、なんか愛嬌はある。草だけど、、、


ガウ

『どうする?殺すのか?』


「いや、テイムしてみる。

ちょっと待ってて。」


僕が近寄り魔力を注ぐと簡単にテイム出来た。


「名前はハナだ。」


我ながら安易なネーミング。


『ハナ

 歩く草


 HP  3/3

 MP  3/3

 力 2

 丈夫さ 2

 魔力 2

 魔法抵抗力 2

 素早さ 2

 器用さ 2


 スキル

 歩行 レベル1』


弱い!

おそろしく弱い!

スキル『歩行』って何?


もしかしたら最弱モンスターかも。


ハナを『知りたがりの虫眼鏡』という鑑定用の道具で鑑定してみた。


『歩く草

 歩ける。

 攻撃手段はない。

 足のような根っこから養分を吸い込む。

 角うさぎにも簡単に食べられる。』


攻撃出来ないモンスターですか!?

食物連鎖の底辺にいるようなモンスターだな。


「ボゥ、悪いけど、守ってあげて。

それで他のメンバーは魔石を優先的にハナにあげて。」


ボゥ

『わかった。』


想像を絶する弱さだったけど、なんとも言えない愛嬌がある。


モンスターをバンバン狩って、魔石をどんどんあげる。

魔石に埋まりそうです。


魔石を食べるスピードも遅いのだ。

こっちが狩るスピードの方が速く、魔石が溜まっていく。


すると、


『ハナが進化出来ます。

 進化先を選んでください。』


進化も速い。

そりゃ、ものすごい格上モンスターの魔石を食べているからね。


『ウッドドール

 木製の人形。

 素早さ、器用さを中心に上昇する。


 歩く花

 花が咲く。


 リーフゴーレム

 葉っぱで出来たゴーレム。

 HP、丈夫さを中心に上昇する。


 花精

 花の精霊。

 MP、魔力を中心に上昇する。』


人形は器用さ。

ゴーレムは丈夫さ。

精霊は魔力。

それはわかる。

なんかイメージ通りな感じ。

しっかり進化しているよね。


でも『歩く花』はなんなんだ???

説明が短過ぎる。

これは危険な香りがする。

でも、、、


「歩く花で!」


選んじゃうよね~。


『ハナ

 歩く花


 HP  4/4 +1

 MP  4/4 +1

 力 2

 丈夫さ 2

 魔力 2

 魔法抵抗力 2

 素早さ 2

 器用さ 2


 スキル

 歩行 レベル1

 咲く レベル1』


マジですか!?


この変化の無さ。

HPとMP が1上がっただけ。

成長してないな~。


そして、謎のスキル『咲く』。


確かに花が咲いてるよ。

歩く草だった時につぼみだった場所に花が咲いている。綺麗なピンク色の花。形はスイセンっぽい。


だからど~した! という感じだよね。



ちょっと沼にはまった気がする。

せっせとモンスターを狩って魔石を集める。

相変わらず魔石を食べるスピードは遅い。


魔石に溺れるハナ。



夕方、そろそろ今日の狩りを終えようという時間に、


『ハナが進化出来ます。

 進化先を選んでください。』


キタキタキタ~!


1日に2回目の進化。

最速記録間違いなし。


『歩く実

 実る。』


マジか!?

1択!?


選ぶ余地は無い。

もう軌道修正は出来ないってことだろうね。

そりゃ、選ぶしかないよね。


『ハナ

 歩く実


 HP  4/4

 MP  4/4

 力 2

 丈夫さ 3 +1

 魔力 2

 魔法抵抗力 2

 素早さ 2

 器用さ 2


 スキル

 歩行 レベル1

 咲く レベル1

 実る レベル1』


もう我慢比べだね。

丈夫さ+1 以上!

ある意味潔い。

全然成長しない。

更にスキル『実る』もまったく意味は不明。


確かに花があった場所に実が出来ている。

野いちごに似た実だ。

形は野いちごだけど、サイズはカボチャ級。


この後どうなるのか?

とことんやってやる。

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