束の間の休息

その日の夜。

僕らはリストランテデラーノに向かった。

僕、ガロッソさん、マヘリアさん、トマーシュさん、ヒナタさん、イリーナさん、バニングさん、アドルさん、ロックさん、ミレイさん。

普通は護衛チームのみんなが入ることはないらしい。

でも今回は出発前の景気づけということでみんなで食べることになった。


前菜は貝とエビのカルパッチョ。

生じゃなく、軽く火は入っている。

さっぱりして食感がすごくいい。

貝とエビの甘味を感じられる料理だった。


スープはブイヤベース。

旨味の暴力だね。海鮮の旨味が溢れてる。蟹まで入ってました。


アクアパッツァ

白身魚をメインにしてある。

香り高い逸品だった。トマトとの相性も抜群。


ローストビーフ

ビーフじゃなくてワイバーンですがね。

脂がいい感じ。

口に入れるとほどけていく。


デザートを食べているとデラーノさんがやってきた。


デラーノ

「アキラ、ありがとよ。」


「えっ?」


デラーノ

「パエルモで店をやっていると、ここまで新鮮な魚にはお目にかかれねえ。

久しぶりの素材に気分が上がったぞ。

料理人として楽しめた料理だった。」


「ベルフォームで食べた海鮮料理よりも美味しかったです。

さすがデラーノさん。」


デラーノ

「また面白い食材が手に入ったら持ってこい。料理してやるよ。」


「ありがとうございます。」


デラーノ

「明日は4人を休みにしてある。

また旅に出るんだろ。

久々に楽しんでこい。」


「ありがとうございます!」


デラーノさん、やっぱりいい人だ。

しゃべり方はぶっきらぼうだけど、気遣いも出来る大人だね。




そして翌日。

朝には4人が宿屋にやって来た。


4人でわいわいしゃべりながらショッピングを楽しみました。

正直、お金の心配はまったく無いので、ちょっと贅沢に使ってます。


リィズ、フィオ、マユラさんがトークの中心。僕はそんなにおしゃべりが上手じゃないからね。アイラさんも口数は少ないタイプ。

リィズとフィオが料理のこと、お店のことを色々話してくれる。

昔は口数が少なかったけど、今は年相応の女の子って感じだ。

マユラさんは面白おかしく裏話をしてくれる。変わったお客さんの話とかを冗談まじりにしゃべるので面白い。

アイラさんは無口だけどウエイトレスとして大丈夫かな、と少し心配したけど、スマートな身のこなしに女性ファンがいるらしい。

某歌劇団の男役的な人気なのかな?


僕らの店の予定地を見に行ったけど、更地になっていた。まだ建設はこれからという感じ。大工のゲイツさんの家に行ったら、ゲイツさんは違う物件の改装工事をしているらしい。ゲイツさんの奥さんにベルフォームのお土産のお酒を渡してきた。外国のお酒らしいけど、僕は飲めないから、美味しいかどうかはわからない。でも大工さんへのお土産と言えばお酒のイメージだったからね。完全な偏見だけど。


午後はカフェでゆったり過ごした。

ホント何もせずにわいわいしゃべってるだけで楽しかった。

あっという間に1日が終わった。

次に会えるのはかなり先だ。

出来るだけ早く帰ってこよう。

どうやって時短しようかな?


それと出発までは何しよう?

4人は明日から仕事だし。

旅の準備はイリーナさんがやってくれる。

やることがないな~

暇潰しにワイバーンでも狩ってこよう。

もう少し奥に行ってもいいかも。

ワイバーンがいるぐらいだからドラゴンとかもいるのかな?


明日は朝からタカート山脈へ出発だ。

僕らだけならリヤカーはいいかな?

最近ステータスが上がって走るの速いし、そんなに疲れない。

元の世界にいた頃なら考えられないね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る